下肢リンパ浮腫に対する筋トレは安全かつ効果的!

前回は、下肢のリンパ浮腫に対する自転車エルゴメーター運動の効果を紹介しました。

  

下肢のリンパ浮腫に対する自転車運動の効果

2023年7月7日

  

高負荷の自転車エルゴメーター運動が効果的な結果でしたね。

しかし、リンパ浮腫に対する運動の効果の機序は、筋ポンプ作用が中心です。

  

がんのむくみ、リンパ浮腫に対して運動は効果あるの?

2023年6月30日

  

自転車も筋肉は使いますが、筋ポンプ作用と言ったら、やっぱり筋トレですよね。

上肢のリンパ浮腫に対して、ウェイトトレーニングやダンベル運動は安全かつ効果的であるとの報告がありました。

   

がんの腕のむくみ、リンパ浮腫に対する筋トレは安全かつ効果的!

2023年7月4日

がんの腕のむくみ、リンパ浮腫に対するダンベル運動の効果

2023年7月6日

   

下肢のリンパ浮腫に対して筋トレは安全に行えて、効果もあるのでしょうか?

 

今回は、下肢リンパ浮腫患者がウェイトリフティングを行うことの安全性と効果について調査した論文を紹介します。

   

【公式】スポーツ用品総合通販ならスーパースポーツゼビオ

 

 

今回紹介する論文の概要

  

今回紹介する論文は、下肢リンパ浮腫患者がウェイトリフティングを行うことの安全性と効果について調査したという内容になっています。

  

「Katz E, Dugan NL, Cohn JC, et al. Weight lifting in patients with lower-extremity lymphedema secondary to cancer: a pilot and feasibility study. Arch Phys Med Rehabil. 2010 Jul;91(7):1070-6」

2010年に発行された論文です。

  

Xserverドメイン

  

対象

  

対象はペンシルベニア大学から紹介された下肢リンパ浮腫と診断されたがん患者10名です。

  

1年以内にリンパ節郭清を含むがんの治療を行っている患者が対象となっています。

  

該当する307名に協力を募ったのですが、最終的に10名だけになってしまったようです。

  

24時間ボディメイク【マッスルプレス】

  

介入内容

  

週2回、5か月間のウェイトリフティングを実施しています。

最初の2ヶ月は監視下で行い、残りの3ヶ月は監視はなく自主練習で行っております。

  

シーテッドロウ(広背筋), チェストプレス(第胸筋), ラテラルレイズ(三角筋),バイセプスカール(上腕二頭筋), トライセプスプッシュダウン(上腕三頭筋),レッグプレス(大腿四頭筋), レッグエクステンション(大腿四頭筋), レッグカール(ハムストリングス), ヒップフレクション(腸腰筋), レッグアブダクション(中殿筋), プローンストレートレッグリフト(大転勤),カーフレイズ(下腿三頭筋)といった上下肢の12種類の筋トレを実施しています。

  

それぞれ10回2-3セットを行い、トータルで90分の運動を行っています。

  

下肢だけでなく、全体的に筋トレを行っているようです。

具体的な運動内容が記載されているのは参考になりますね。

  

自宅で快適なトレーニングをするなら!【NUOBELL】

  

結果

  

Katz E, Dugan NL, Cohn JC, et al. Weight lifting in patients with lower-extremity lymphedema secondary to cancer: a pilot and feasibility study. Arch Phys Med Rehabil. 2010 Jul;91(7):1070-6

こちらの表は、体脂肪、骨格筋量、上肢筋力、下肢筋力、6分間歩行テスト(持久力)、歩行速度、足関節の柔軟性、片脚立位時間(バランス)の結果を記載しています。

ベースラインと2か月後、5か月後で推移を比較しています。

運動2か月後には上肢筋力、歩行速度、足関節の柔軟性、片脚立位時間(バランス)に改善が見られています。

5か月の時点では、上肢筋力、持久力、歩行速度に改善を認めています。下肢筋力も改善傾向ですね。

 

今話題のエクオール「女性特有の悩みゆらぎをサポート」キレイ・デ・エクオール

Katz E, Dugan NL, Cohn JC, et al. Weight lifting in patients with lower-extremity lymphedema secondary to cancer: a pilot and feasibility study. Arch Phys Med Rehabil. 2010 Jul;91(7):1070-6

こちらの表は、下肢の体積や周径の数値です。ベースラインと2か月後、5か月後で比較して、リンパ浮腫が増悪していないかを検討しています。

全ての期間においてリンパ浮腫の増悪は認めておりません。

[ヨガ・フィットネス]欲しいウェア必ず見つかる♪【Puravida!】

結論

下肢リンパ浮腫患者の、5か月間のウエイトトレーニングは安全に行え、効果を認めました。

監視なしでの自主練習も頑張ってくれいていたようですが、監視がある方が運動の実施率はよかったようです。

リンパ浮腫が改善したというよりは、リンパ浮腫が増悪せずに筋力や持久力、柔軟性、バランスが改善したという結果ですね。

10名のみの調査なのでリンパ浮腫の改善ははっきりと認められなかったですけど、少なくともこれだけがっつり筋トレしても浮腫はひどくならないので、安心して運動していいんではないんでしょうか。

休息サポートサプリメント【スヤナイトα】

まとめ
・下肢リンパ浮腫患者がウェイトリフティングを行うことの安全性と効果について調査した論文を紹介。

・上下肢の12種類の筋トレを5ヶ月間実施しても、リンパ浮腫の増悪は認めなかった。

・運動5か月後に、筋力、持久力、足関節の柔軟性、歩行速度の改善が認められた。

・がっつり筋トレしてもリンパ浮腫の増悪なく、運動機能の改善が期待できそう。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

       興味があったらシェアしてください