前回の記事では痛みの分類について紹介しました。
慢性疼痛は、傷や炎症が治る期間を超えても続く警告信号としての役割を果たしていない痛みでしたね。
しかし、組織が修復する期間は十分すぎているのになぜ痛いのでしょうか?
そこで今回は、慢性疼痛のメカニズムについて紹介します。
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通常の痛みというのは、機械的、温度的、化学侵害的などの、何かしらの刺激によって組織が損傷することで、侵害受容器に刺激が入ることからスタートします(①~②)
そこから末梢神経→脊髄→大脳というように、神経や脳に痛み刺激が伝わっていき、最終的には大脳で痛みを感じるということになります(③~⑥)。
簡単に言うと、痛みを生じるほどの刺激を受けて、神経や脳を伝わって痛みを感じるということですね。
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それでは、慢性疼痛はどのようなメカニズムで生じるのでしょうか?
こちらの図では、指でちょっと触れられるだけの、通常では痛みが生じない程度のわずかな刺激で痛みを感じていることを表しています。
そのメカニズムとしては、刺激を受け止める侵害受容器の閾値が下がる、つまり痛みに過敏に感じるようになることが一つです(①)。
そして、神経や脊髄といった痛みの刺激が伝達される部分も変化してわずかな刺激が強い刺激として伝達されていきます(②~③)
さらに、人間には下行性疼痛抑制という、自分で痛みを和らげようとする機能があるのですが、その機能も減弱し、痛みに対して弱くなってしまいます(④)
さらには、大脳に関しても、不安や恐怖などの負の情動が強くなり、ますます痛みを感じやすい体となってしまいます。
つまり、受容器や神経という痛み刺激を受け取り伝達する部分が痛みを強く感じるようになり、自身の痛みを和らげる機能が低下し、負の情動によって痛みをさらに強く感じるという状態に陥っているわけです。
お名前.com上記のような慢性疼痛の状態に陥ると、わずかな刺激で痛みが生じやすくなるだけでなく、わずかな刺激を繰り返されると痛みがどんどん増強するようになってしまいます。
上の図のように、何回も指でつんつんされるとどんどん痛みのように感じてしまうわけですね。
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それでは、痛みが強い方は、上記のような痛みを感じやすい状態に陥っているのでしょうか?
それを検証した研究がこちらです。
対象は40歳以上の6ヶ月以上の膝痛が持続している変形性膝関節症患者43名です。
GroupA:痛みが重篤な患者17名と、GroupB:痛みが軽度な患者26名に群分けしています。
そして、①どれくらいの圧で痛みを感じるか、②痛みを感じ始める圧を10回繰り返すとどれくらい痛みが強くなるかについて検証しています。
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こちらが、どれくらいの圧で痛みを感じるかを調査した結果です。
重篤な痛みのあるGroup Aの患者の方がわずかな圧で痛みを感じていました。
さらに、対象は変形性膝関節症の患者でしたが、腕でも同様にわずかな圧で痛みを感じていました。
全身が痛みに敏感になっているような状態ですね。
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さらに、こちらの図は痛みを感じ始める程度の圧刺激を10回繰り返したときに痛みが増強するかどうかの結果になります。
重篤な痛みのあるGroup Aの患者は、痛みを感じ始める圧刺激を繰り返すと、強く痛みを感じるようになっています。
軽度の痛みのGropBは、10回の刺激を行っても痛みの点数が10点未満ですが、GroupAは右肩上がりに増加して、20-30店になってしまっていますね。
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このように、弱い刺激であっても、身体の異常により痛みに感じてしまうような状態になることがあります。
このような痛みを、最近では痛覚変調性疼痛と呼ぶようになりました。
通常の痛み刺激に伴う「侵害受容性疼痛」、神経の病変によって生じる「神経障害性疼痛」、そして、「痛覚変調性疼痛」が痛みの分類となっております。
一昔前は、気持ちの問題として、「心因性疼痛」という名称もありましたが、げんざいは使われなくなっているようですね。
ちなみに、上の図の3つの痛みの分類が様々な色で混ざり合っている図は、痛みというのは3つの分類できれいに分けられるものではなく、3つの分類の原因が混在しているということを示しているようです。
「あなたの痛みの原因はこれです。」とビシッと決められるわけではないということですね。
今回は、慢性疼痛のメカニズムと痛みの分類について紹介しました。
痛覚変調性疼痛という痛みのメカニズムはしっかりと理解しておいた方がよさそうですね!
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・最近の痛みの分類は、「侵害受容性疼痛」、「神経障害性疼痛」、「痛覚変調性疼痛」に分けられる。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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