プロフィール

はじめまして。理学療法士の「しゅにしー」といいます。


整形外科クリニックに勤めながら、がん患者さんやリンパ浮腫患者さんのリハビリを専門として対応しています。


ここでは、私の略歴やブログを始めたきっかけ、このブログで学べることなどを記載していますので、よろしくお願いします。

自己紹介

略歴

2006年:大学病院に就職


整形外科患者さんへのリハビリ開始


2010年:がんリハビリテーション研修会受講


大学病院でがん患者さんへのリハビリ開始


2018年:整形外科クリニックに異動

地域のがん患者さんへのリハビリ開始

所属学会等

日本がん・リンパ浮腫理学療法研究会(評議員)
日本理学療法士協会主催リンパ浮腫実技研修会アシスタント
日本理学療法士協会主催がんリハビリテーション研修会ファシリテーター
長崎県がんリハビリテーション研修会実行員
日本理学療法士協会
日本緩和医療学会
日本がんサポーティブケア学会
日本骨粗鬆症学会

資格

代謝認定理学療法士
心血管専門理学療法士
呼吸専門理学療法士
糖尿病専門理学療法士
医療リンパドレナージセラピスト
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

業績

  • Physical Therapy and Research in Patients With Cancer, Muscle Mass, Cachexia, and Health-Related Quality of Life in Patients with Hematologic Malignancies, pp93-110, Springer 2023年1月
  • 入院化学療法中の造血器腫瘍患者の倦怠感に関連する要因の検討, Palliative Care Research, 2022; 17: 181-189.
  • がん患者の疼痛の評価と治療戦略, 長崎理学療法, 2021; 21: 11-20.
  • 入院中の造血器腫瘍患者に対する運動機能および身体活動量のフィードバックを用いた行動変容アプローチの効果. Palliat Care Res, 2021,16(2), 123-131
  • 全国がん診療連携拠点病院でのリンパ浮腫外来における運動療法の実態調査.理学療法学, 2021; 48: 330-336
  • 化学療法・放射線療法施行患者に対する理学療法(共著). がんの理学療法, 三輪書店. 2017. pp106-116
  • 日本理学療法士協会学習動画: がんサバイバーの運動機能・身体活動量低下. 2021
  • 古川医療福祉設備振興財団第8回研究助成: ICTを活用した慢性腰痛高齢患者の疼痛や運動機能改善に効果的な教育・運動動画プログラムの開発. 2023
  • 公益社団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2023年度 在宅医療推進のための調査研究等への助成:運動器疾患を有する地域在住高齢者のフレイル予防を目的とした ICT を用いた教育動画プログラムの開発. 2023
  • 公益財団法人 令和3年度がん研究助成(C課題): 高齢がんサバイバーの「骨の健康」を支援する多施設連携システム構築に向けた実態調査. 2022
  • 公益社団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2020年度 在宅医療推進のための調査研究等への助成:整形外科外来における地域在住フレイル患者の骨粗鬆症に対する多職種介入モデルの構築. 2020
  • 公益財団法人 がん研究振興財団 2019年度がんサバイバーシップ研究助成: 外来リンパ浮腫患者に対する運動療法支援ネットワークの構築. 2019
  • 第26回日本緩和医療学会学術大会 優秀演題:入院化学療法中の造血器腫瘍患者の倦怠感に関連する因子の検討
  • 第30回長崎県理学療法学術大会 in 長崎 大会長賞: 全国がん診療連携拠点病院でのリンパ浮腫外来における運動療法の実態調査〜外来リンパ浮腫患者に対する運動療法支援ネットワークの構築に向けた予備的研究〜. 2019
  • 第19回日本ペインリハビリテーション学会学術大会優秀演題賞: 保存的治療が適応となるがん患者に対する低強度の運動は身体活動量を向上させ、身体症状の改善やQOLの向上をもたらす. 2014

もっと詳しい業績はこちら

整形外科クリニックでのがんリハビリ開設までの軌跡

大学病院でのがん患者さんのリハビリ

大学卒業後に大学病院に就職し、最初は整形外科の手術後の患者さんを中心にリハビリをしていました

2010年から日本でも「がん患者リハビリテーション料」というものが認められました。

これで、今までリハビリの対象外となっていたがん患者さんがリハビリできるようになったのです

そして、私の担当患者さんが整形外科からがん患者さんへと変わっていきました

大学病院では、がんの手術や化学療法、放射線療法などの治療前後の患者さんのリハビリを担当しました。

当時でも、手術後は早めにリハビリを開始しましょうという考えは広まっていました。

しかし、手術以外の治療の患者さんは、副作用等の体調不良もあり、寝たきりになっていることが多い現状だったのです。

看護師さんやリハビリスタッフでも、あまりリハビリの対象として考えていませんでした。

そこで、がんの治療中で、活動性が低下している患者さんに私がリハビリを行うようになっていきました

患者さんと一緒に運動して、無事自宅退院できる手伝いができる仕事は非常に充実感がありました

緩和ケア患者さんへのリハビリ

リハビリ対象の範囲は広がり、緩和ケアを受けている患者さんのリハビリを担当することも多くなりました。

緩和ケアとは、がんやその治療による苦痛を和らげる治療のことです。

昔は「緩和ケア=終末期」というイメージが強かったですが、現在は緩和ケアを受けながらも自宅退院まで回復する患者さんも多く、リハビリも重要な役割となっています。

大学病院の緩和ケアチームの一員として、緩和ケア患者さんのリハビリの普及に貢献しました。

緩和ケアの患者さんにとってリハビリは自分の意志で頑張ることができ、「今日も頑張れた」、「できることが増えた」などの前向きになる手段の一つなんだと実感しました

地域でのがんリハビリの普及に向けて

大学病院でのリハビリは基本的に入院中しか実施できません

入院中のがん患者さんは、無事に退院しても、その後体調不良等で再入院することがよくありました。

緩和ケアなどでは、在宅医療といって、医師や看護師がご自宅に伺って、退院後も継続的にケアを継続できることも多いです。

しかし、リハビリの場合は退院後は自主練習を指導して終了することがほとんどです

外来のリハビリや在宅での訪問リハビリなどもありますが、がんやその治療に対する知識を持ったスタッフが対応してくれることはほとんどありません。

そのような状況で、徐々に退院後のがん患者さんへのリハビリを提供できないかと考えるようになりました

整形外科クリニックでのがんリハビリ開設

そんな時に、大学病院で骨軟部腫瘍を専門としている整形外科の医師から、開業する予定なので、異動してくれそうな理学療法士はいないかとの打診がありました。

骨軟部腫瘍というのは骨や筋肉の「がん」のことであり、整形外科の中で唯一「がん」を専門としている医師になります。

他の整形外科医と違って、がんの病態はもちろんのこと、化学療法や放射線療法、医療用麻薬などがんの治療にも詳しいです。

さらには、骨や関節、筋肉などの整形外科的な痛みに関しても、もちろんよく知っています。

がん患者さんがリハビリをする上で、その処方やリスク管理を行うのに最も適した医師だと思います。

この骨軟部腫瘍専門医ですが、全国的にも非常に少ない人数しかいません。

そのような医師が開業するのはチャンスだと思い、先生に提案して現在の整形外科クリニックでのがんリハビリを開設しました。

現在は、通常の整形外科の患者さんの診療とともに、がんの治療後やリンパ浮腫の患者さんのリハビリも行っております。

このブログについて

このブログを作成したきっかけ

現在は情報にあふれた社会になっており、がん患者さんの治療も「○○がいい」「△△が効果がある」など、根拠もない情報に振り回されていることが多いように感じます。

そこで、私の専門であるがん患者さんのリハビリや運動に関しては、このブログでガイドラインや論文などの根拠をもとに、できるだけ正しい情報を発信していきます。

がん患者さんや医療従事者に少しでも役に立てればと思っています。

このブログで学べる事、見てほしい人

このブログは基本的にがん患者さんに見てもらいたいと思っています。

がん患者さんに対するリハビリや運動について、根拠をもとに、専門用語ではなくできるだけわかりやすい言葉、内容で伝えられればと思います。

このブログを読めば、「どのような運動が効果があるか」「運動時に注意することはなんなのか」などを学べるように記事を書いていく予定です。

タイトルの通り、「がんになったら読んでほしい理学療法士のブログ」となるように努力していきます。

もちろん、がんに携わる医療従事者の方にも、がんリハビリについて学んでもらって、がん患者さんの診療に役立ててもらえればと思います。

こまめに更新していこうと思いますので、よろしくお願いします。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

2021年2月21日