がん患者の身体症状に対するヨガの効果【ガイドライン解説】

今回は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がん患者の身体症状に対するヨガの効果について記載している内容を紹介します。

最近はがんの身体症状に対する代替補完療法の効果について記載している内容を紹介しています。

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多くの代替補完療法がありますが、最近紹介したものでは運動や鍼灸治療などは身体症状の改善に有用なようでしたね。

 

特に運動はがん患者さんの様々な症状改善に有用なことが記載されており、最近では有効な治療方法の一つとして挙げられています。

 

運動の方法の一つとしてよく行われているのがヨガです。

リハビリ専門職の中でも、ヨガの講習を受けて、リハビリに活用している方もいたりしますね。

 

そこで今回は、がん患者の身体症状に対するヨガの効果について記載している内容を紹介します。

記載内容は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス 2016年版. 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会 (編). 金原出版、から引用させていただいております。

まとめ
・がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)よりがん患者の身体症状に対するヨガの効果について記載している内容を紹介。

・ヨガはがん患者の痛み、倦怠感、睡眠障害を改善させる可能性があるようである。

・消化器症状や呼吸器症状、泌尿器症状に関する効果ははっきりしていない。

・ヨガは、ゆっくりと無理なく行えるものも多いので、身体症状があるがん患者さんの運動方法の一つとして選択してもいいかもしれない。

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ヨガの概要

ヨガの具体的な方法として8つの要素(8支則)が説かれています。

 

医療に応用されているヨガは、8つの要素のうち、主にアーサナ(体位法、ポーズ)、プラナヤーマ(呼吸法)、瞑想法の3つ、もしくはそれらを組み合わせたものが多くなっています。

特に緩和医療の分野では、穏やかで、ローインパクトのポーズで構成されるプログラムが用いられています。

 

ヨガの特徴は、①ゆっくりとした動き(もしくは一定の姿勢の保持)に、②呼吸(多くの場合、通常より長い呼気)をあわせ、③そこで生じる身体感覚に意識を向けることによって、運動の要素だけではなく、心の安定・平静を導く瞑想の要素をあわせもつ点(瞑想的運動療法)です。

 

ヨガを実施するにあたって、以下の点に注意が必要と記載されています。

 

  • 動機づけが大切。ヨガの効果は定期的に練習することで得られ,練習頻度に相関する。
  • 疾患に応じて行わないほうがよいポーズ(高血圧,緑内障患者では頭を下にするポー ズなど)がある。
  • 体調や併存疾患(気分障害,不安障害)にあったポーズの内容,運動強度,練習時間 から始めるべきである。そのため,少なくとも最初は経験豊かなインストラクターの 指導のもとで練習することが望ましい

 

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痛みに対する効果

①システマティックレビューでは、ヨガの身体的および精神的効果を調べた16件のうち、4件で痛みが評価されています。

乳がん患者を対象とした2件では、ヨガの疼痛軽減効果の効果量は大であり、特に、乳がん患者の関節痛に対するヨガの有効性が報告されています。

以上より、ヨガは、乳がん患者の痛みを軽減する可能性があるが、研究論文の数が少なく、この結論は慎重に解釈されるべきであると結論付けています。

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消化器症状に対する効果

現時点で,本臨床疑問に関連するシステマティックレビューの報告はありません。

 

無作為化比較試験は2 件あり、

①乳がん患者が毎日1 時間,週6 回の ヨガ実習を行うと,対照群に比較して化学療法による悪心の強度と頻度を抑制したと報 告されています。

②もう一件の無作為化比較試験では,対照群との間に差はみら れなかったとされています。

 

以上より,結論を下すには研究の数が少なく,現時点で,ヨガががん患者の悪心・嘔 吐を軽減するとは結論づけられないとされています。

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呼吸器症状・泌尿器症状に対する効果

現時点で,本臨床疑問に関連するシステマティックレビューおよび無作為化比較試験の報告はありません。

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倦怠感に対する効果

①そのうち最も多くの無作為化比較試験を検討したシステマティックレビューでは、ヨガ介入期間前後で倦怠感の変化を調べた10件のうち、ヨガによって倦怠感が著明に改善したとする報告が4件ありました。

そのうち3件は、ヨガクラスへの参加頻度が多いほど、より倦怠感の改善がみられたとしています。

10件のうち9件は乳がん患者、乳がんサバイバーでの研究であり、参加者のほとんどが女性でした。

 

② システマティックレビューでは、乳がん患者に限定してヨガの倦怠感に及ぼす影響を調べた6件を検討し、ヨガ群は対照群に比較して有意に倦怠感を改善することを見出しています。

 

以上より、ヨガは、女性乳がん患者および乳がんサバイバーの倦怠感を軽減させるための有用な方法といえるであろうと結論付けています。

しかしながらこの結論は、これまでの研究の不均一性に注意して、慎重に解釈されるべきであるとも記載されています。

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睡眠障害に対する効果

①システマティックレビューでは、9件の無作為化比較試験を検討し、 睡眠の改善が得られたとする論文が6件、効果なしとする論文が3件でした。

睡眠を改善したとする論文では、睡眠潜時、睡眠時間、睡眠の質が改善したことを報告しており、そのうち2件で睡眠薬の使用量を減量させることができたとしています。

 

以上より、ヨガは、がん患者の睡眠障害を軽減する可能性があると結論付けています。

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まとめ

ヨガはがん患者の痛み、倦怠感、睡眠障害を改善させる可能性があるようです

 

ヨガは世界中で広まっており、論文数も多い印象でしたが、質の高い研究に関しては意外と少ないようですね。

 

がん患者さんがヨガをするきっかけとしては、体力改善や可動域改善などが多いと思いますが、運動機能だけでなく身体症状も改善させるかもしれないということは嬉しいですね。

 

ヨガは、ゆっくりと無理なく行えるものも多いですので、運動の方法の一つとして選択してもいいかもしれないですね。

まとめ
・がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)よりがん患者の身体症状に対するヨガの効果について記載している内容を紹介。

・ヨガはがん患者の痛み、倦怠感、睡眠障害を改善させる可能性があるようである。

・消化器症状や呼吸器症状、泌尿器症状に関する効果ははっきりしていない。

・ヨガは、ゆっくりと無理なく行えるものも多いので、身体症状があるがん患者さんの運動方法の一つとして選択してもいいかもしれない。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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