最近は、筋量や骨量低下予防のために推奨されている活動量について紹介しました。
7000-8000歩/日の歩数、15-20分/日の中等度運動が推奨されていましたね。
筋肉や骨も大事ですが、運動を行う最大の目的としては、元気に長生きできることです。
ですので、運動を行うことによってどれだけ長生きできるか、死亡リスクが減少するかということを調査している研究も多いです。
長生きするために必要な活動量って、知っておきたいですよね。
そこで今回は、どの程度の歩数を歩くことが死亡リスク減少に効果があるのかを調査した研究を紹介します。
・死亡リスクの減少はや歩数の増加と関連していた。
・60歳以上の成人では1日あたり約6000〜8000歩まで、60歳未満の成人では1日あたり約8000〜10000歩までは、死亡リスクは次第に低くなっていた。
・結局、筋量や骨量低下予防と同様に、7000-8000歩くらいの歩数が死亡リスク減少に効果があるようである。
今回紹介する研究の概要
今回紹介する論文は、どの程度の歩数を歩くことが死亡リスク減少に効果があるのかを調査した内容になっています。
「Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022 Mar;7(3):e219-e228」、2022年に発行された最新の論文です。15編の論文の結果をまとめたメタアナリシスです。
メタアナリシスという統計手法は、論文の中では最も質が高い根拠として位置づけられています。
こちらの記事でもメタアナリシスで解析した論文を紹介しています。
自宅でできるフィットネスサービス SOELU(ソエル)対象と方法
Two strategies were used to identify studies for this meta-analysis. First, we identified studies through a systematic review of daily step count and associations with all-cause mortality, cardiovascular disease, and dysglycaemia, the findings of which have been published previously.10 Briefly, we searched MEDLINE, Embase, CINAHL, and Cochrane Library databases for publications in English from database inception to Aug 1, 2019. Search terms were related to daily step count measured by pedometer or accelerometer and to mortality, cardiovascular disease, and dysglycaemia. Eligibility criteria included longitudinal design, adult participants (aged ≥18 years), and non-patient populations, and that the study reported an association between daily step counts and mortality. The previous systematic review was registered with PROSPERO (CRD42020142656).10 Five studies were identified through this systematic review, a number that was deemed too few for a meta-analysis. Therefore, we used a second strategy to identify additional studies for the current meta-analysis.
Additional studies were identified through Collaborative members’ awareness of ongoing and unpublished studies measuring steps and mortality. These studies were also required to meet the inclusion criteria stipulated in the previous systematic review. The investigators of studies found to be eligible were approached by AEP to ask whether they would participate in this meta-analysis.
Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022 Mar;7(3):e219-e228
対象とする論文は、毎日の歩数と、すべての原因による死亡率、心血管疾患、および血糖異常との関連を調査しているもので、2019年8月1日までの英語の出版物を検索しています。
最終的に15編の論文が解析対象となっています。
自宅でできるフィットネスサービス SOELU(ソエル)結果
Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022 Mar;7(3):e219-e228
こちらの図は、歩数の上位から4分割して、死亡リスクとの関連性を解析した結果です。
「1」が歩数が少なく、「4」が歩数が多いということです。
どの年齢や性別でも、歩数が多くなるにつれて死亡率が減少するという結果になっています。
Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022 Mar;7(3):e219-e228
こちらは年齢別に歩数と死亡リスクの関係性を示したグラフになります。
赤色が60歳未満、青色が60歳以上です。
グラフが下に下がるほど死亡率が減少し、右に進むほど歩数が増えていることを表します。
グラフを見てみると、赤色も青色も歩数の増加とともに死亡率が減少していきますが、あるところで減少が穏やかになっていますね。
60歳未満は8000-10000歩、60歳以上は6000-8000歩くらいで死亡率減少が最大になるようです。
60歳未満に関しては10000歩以上に歩数が増えると、若干死亡率も増加しているようにも見えますね。
自宅でできるフィットネスサービス SOELU(ソエル)結論
There are currently no evidence-based public health guidelines recommending the number of steps per day for health benefits. Our findings suggest mortality benefits, particularly for older adults, can be seen at levels less than the popular reference of 10 000 steps per day. Adults taking more steps per day have a progressively lower risk of all-cause mortality, up to a level that varies by age. Our findings can be used to inform step guidelines for clinical and population promotion of physical activity.
Paluch AE, Bajpai S, Bassett DR, et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. Lancet Public Health. 2022 Mar;7(3):e219-e228
今回の調査では、60歳以上の成人では1日あたり約6000〜8000歩まで、60歳未満の成人では1日あたり約8000〜10000歩までは、死亡リスクは次第に低くなっていました。
以前は1日10000歩が健康にいいと信じられていましたが、高齢者にとってはより少ない歩数でも有効なようです。
結局、筋量や骨量低下予防と同様に、7000-8000歩くらいの歩数が死亡リスク減少に効果があるようですね。
60歳未満と60歳以上で歩数の目標も変わってくるかもしれません。
自宅でできるフィットネスサービス SOELU(ソエル)・死亡リスクの減少はや歩数の増加と関連していた。
・60歳以上の成人では1日あたり約6000〜8000歩まで、60歳未満の成人では1日あたり約8000〜10000歩までは、死亡リスクは次第に低くなっていた。
・結局、筋量や骨量低下予防と同様に、7000-8000歩くらいの歩数が死亡リスク減少に効果があるようである。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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