最近の記事ではホットパックが柔軟性や疼痛改善におよぼす効果について紹介しました。
効果があることはもちろんですが、5分間という時間で様々な効果が期待できるのは驚きでしたね。
ところで、ホットパックと言えば疼痛軽減や柔軟性改善のイメージが強いですよね。
しかし、筋力増強の効果も期待できるってことは知っていましたか?
なかなか実際の臨床で筋力強化を目的にホットパックを使用する人は少ないんじゃないでしょうか。
そこで今回は、ホットパックが筋力増強などに対して及ぼす効果について紹介します。
日本最大級のまなびのマーケットホットパックによる筋出力の向上
坂本 竜司, 他, ホットパック温熱刺激が等速性運動に及ぼす影響, 理学療法科学, 2018, 761-767
こちらの研究は20歳代の健常男性20名を対象に調査を行っています。
大腿四頭筋にホットパックを実施した場合としない場合で、角速度 60°/s,180°/sの膝伸展筋力を比較しました。
ホットパックは最大15分実施しており、3分おきに筋出力を測定しています。
結果として、角速度 60°/sの筋出力はホットパック15分後で増加が認められ,180°/sの筋出力はホットパック9分以上で増加が認められました。
ホットパックで温めた方が、短時間で筋出力がアップし、さらにその筋出力を維持できるという結果ですね。
着るだけ!加圧シャツで筋肉を刺激!Nakamura M, et al:The effect of low-intensity resistance training after heat stress on muscle size and strength of triceps brachii: a randomized controlled trial. BMC Musculoskelet Disord. 2019
さらに、こちらの研究は20歳代の健常男性30名を対象に調査を行っています。
対象者全員が30% 1RMの負荷で上腕三頭筋のレジスタンス トレーニングを8回3セット、週3回6週間実施しています。
そして、トレーニング前に上腕三頭筋に20分間ホットパックを実施した群と実施していない群の2群に分けて、2週後、4週後、6週後の筋力の変化を調査しています。
結果として、ホットパックを実施しなかった群は6週後も筋力増加が認められていませんが、ホットパックを実施した群の筋力は2週後から増加し、6週後にはさらに増加しています。
ホットパックを運動前に行うことで、筋力がアップしにくい低強度の運動でも筋力がアップするという結果ですね。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービスホットパックによる筋厚の増加
Nakamura M, et al:The effect of low-intensity resistance training after heat stress on muscle size and strength of triceps brachii: a randomized controlled trial. BMC Musculoskelet Disord. 2019
また、こちらは先ほどと同じ研究の結果ですが、ホットパックを実施しなかった群は6週後も筋厚は変化がないですがが、ホットパックを実施した群の筋厚は6週後に増加しています。
ホットパックを行っておくと筋力も筋厚も増加しやすいという結果は臨床に応用できそうですね。。
タクシーが呼べるホットパックによる筋疲労の減少
湯浅 敦智, 吉田 英樹, 運動前の温熱刺激が筋疲労耐性に与える影響, 理学療法科学, 2012, 27 巻, 6 号, p. 623-627
こちらの研究は20歳代の健常男性8名を対象に調査を行っています。
大腿四頭筋の最大の筋収縮を100%として、50%に相当する大腿四頭筋筋力を65秒間持続して発揮させました。
課題前に大腿四頭筋へのホットパックを20分実施した群と実施していない群に群分けし、表面筋電図で課題中の初期・中期・後期の中間周波数の変化を調査しています。
中間周波数は筋疲労の尺度であり、周波数が低下すると筋疲労が出現していることを示唆しています。
結果として、ホットパックを実施しなかった群の内側広筋、外側広筋、大腿直筋の中間周波数は後期になるにつれて減少していきました。つまり筋疲労が出現したというわけです。
一方で、ホットパックを実施した群の大腿直筋の中間周波数は後期になるにつれて減少していきましたが、内側広筋と外側広筋の中間周波数に変化は認めませんでした。つまり筋疲労が出現していないというわけです。
筋疲労が蓄積しにくいということは、ホットパックを行っておくと長時間の運動が実施しやすくなるということです。
さらに、筋力や筋厚も増加しやすいので、運動前にホットパックを行わない理由がないですね!
◆スマイルゼミ◆タブレットで学ぶ 【小学生向け通信教育】が誕生!このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
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