以前の記事で、化学療法を受けた乳がん患者はフレイルや認知機能低下を生じやすいことを紹介しました。
がんの治療は、体だけでなく、心や脳にも影響を与えることがあります。
高齢者の方は、特に気になるかもしれませんね。
そこで今回は、がんの治療が高齢者の脳にどんな影響を与えるかについて、最近発表された論文を紹介します。
この論文では、がんの治療が高齢者の脳にどのような影響を与えるかを調べています。
このようなことを知っておくと、治療を受ける際に役立つかもしれません。
がんは、世界中で増加している疾患です。
高齢者は、がんになるリスクが高く、治療を受けることも多いです。
しかし、高齢者は、若い人よりも体力が低下しているため、治療の副作用が強く出ることがあります。
また、高齢者は、認知機能の低下や認知症のリスクが高くなります。
これらは、加齢だけでなく、ストレスや病気などによっても引き起こされることがあります。
この論文では、がんの治療が高齢者の脳にどのような影響を与えるかを調べています。
具体的には、治療前後で脳の構造や働きに変化があるかどうか、認知機能に変化があるかどうかを調べています。
このような研究は、高齢者の方々が安心して治療を受けるようにするために重要ですね。
また、医師や看護師などの医療従事者も、このような知識を持っておくことで、患者さんのサポートができますよ。

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今回紹介する論文の概要
今回紹介する論文は、がんの治療が高齢者の脳にどんな影響を与えるかについて調査した内容になります。
「Kerstens C, et al. A Systematic Review on the Potential Acceleration of Neurocognitive Aging in Older Cancer Survivors. Cancers (Basel). 2023;15(4):1215. doi: 10.3390/cancers15041215 .」。
2023年の新しい論文になります。
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方法
Kerstens C, et al. A Systematic Review on the Potential Acceleration of Neurocognitive Aging in Older Cancer Survivors. Cancers (Basel). 2023;15(4):1215. doi: 10.3390/cancers15041215 .
この研究では、3つの条件を満たす論文を探しました。
1つ目は、がんの治療を受けた後、6か月以上経過していることです。
2つ目は、調査時点で平均年齢が65歳以上であることです。
3つ目は、脳の構造や働き、認知機能や認知症などに関するデータがあることです。
このような条件を満たす論文は、8738件ありました。
しかし、その中には重複したものや関係ないものもあり、チェックを終えた後、残った論文は96件でした。
その中で、脳の構造や働きに関するものは5件、認知機能に関するものは43件、認知症などに関するものは48件でした。
これらの論文から、必要な情報を抜き出しています。
例えば、著者や発表年度、研究の方法や対象者、がんの種類や治療法、測定した内容や主な結果などです。
このようにして、この研究では96件の論文を分析したみたいですね。
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結果
まず、脳の構造や働きに関するものは5件でした。
これらの論文では、がんの治療を受けた高齢者の脳を、画像で撮って調べられています。
画像で撮った結果、がんの治療を受けた高齢者の脳は、健康な高齢者の脳と比べて、いくつか違いがありました。
例えば、脳の一部が小さくなったり、色が変わったりしていました。
特に、前頭葉という部分や基底核という部分に変化が多く見られました。
これらの部分は、記憶や判断などを司る重要な部分です。
治療で脳に変化が生じているということですね!
また、画像だけでなく、認知機能、記憶力、注意力、処理速度などを検査しています。
テストの結果と画像の結果を比べると、脳に変化がある人は、テストでも低いスコアを出す傾向がありました。
つまり、脳の構造や働きに影響が出ると、認知機能にも影響が出るということですね。
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次に、認知機能に関するものは43件でした。
これらの論文では、がんの治療を受けた高齢者の認知機能を、さまざまなテストで測りました。
テストでは、記憶力や注意力、処理速度などを測っています。
テストで測った結果、がんの治療を受けた高齢者は、健康な高齢者や治療を受けていない高齢者と比べて、認知機能に差がありました。
特に、記憶力や処理速度に問題がある人が多く見られました。
脳の画像だけでなく、昨日も低下しているということですね!
しかし、すべての人が同じように認知機能に問題があるわけではありません!
人によって影響の度合いや種類は違っていました。
例えば、影響していることとしては、
- がんの種類
- 治療法
- 遺伝子
- 年齢
- 体力
- 心理的・社会的要因
などが考えられます。
これらのことは、人それぞれ違っていますし、組み合わせも違っています。だから、認知機能にも人それぞれ違いが出てくるわけですね。
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最後に、認知症などに関するものは48件でした。
これらの論文では、がんの治療を受けた高齢者が、認知症になるリスクがどうなっているかを調べています。
認知症には、アルツハイマー病やパーキンソン病などの種類があります。
調べた結果、がんの治療を受けた高齢者は、健康な高齢者や治療を受けていない高齢者と比べて、認知症になるリスクに差がありました。
しかし、これもすべての人が同じようにリスクが変わるわけではありませんでした。人によってリスクが高くなったり低くなったりしていました。
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この研究では、がんの治療が高齢者の脳に与える影響について、多くのことがわかりました。
しかし、まだ解明されていないことや、さらに詳しく調べる必要があることもたくさんあります。
例えば、
- どのような治療法が脳に影響を与えるか
- 脳に影響を与える治療法を受けた人は、どのようなサポートが必要か
- 脳に影響を与える治療法を受けた人は、どのように生活すれば良いか
などが考えられます。
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考察
この研究は、高齢者のがん患者さんの脳の写真や記憶力などを調べたものです。
この研究から、がんの治療が高齢者の脳に影響を与えることがわかりました。
がんの治療が高齢者の脳に与える影響は、治療の種類によって違います。
例えば、ホルモンを使った治療は、記憶力や考える力に悪い影響を与えることがあります。
また、化学療法は、脳の働きを遅くすることがあります。
一方で、手術や放射線治療は、脳にあまり影響を与えないことが多いです。
ただし、頭に近い場所にがんがある場合は、放射線治療で脳に影響が出ることもあります。
また、頭の中にがんがある場合は、手術で脳に影響が出ることもあります。
どの治療が、認知機能に影響が出るかを知っておく必要がありますね。
次に、がんの治療が高齢者の脳に与える影響は、人によって違います。
例えば、年齢や体力や持病などによって、脳に影響を受けやすい人とそうでない人がいます。
また、気分やストレスや睡眠などによっても、脳に影響を受けやすい人とそうでない人がいます。さらに、遺伝子や性別などによっても、脳に影響を受けやすい人とそうでない人がいます。
今後は認知機能低下を防ぐための方法の開発が望まれますね!!
正しい姿勢をつくる

認知症高齢者の疼痛評価についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。
・特に、ホルモンの分泌を抑える治療や抗がん剤の治療は、認知機能の低下と関係があることがわかりました。
・がんの治療を受けた高齢者は、アルツハイマー病などの認知症になるリスクが変わることがあります。しかし、一部のがんや治療は、認知症のリスクを減らすこともあります。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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