人工膝関節全置換術後の筋力トレーニングの効果は?  

今回は、人工膝関節全置換術後に行う筋力トレーニングを行った効果を、従来のリハビリテーションと比較した論文を紹介します。

 

前回は人工膝関節全置換術後の患者さんに対して高強度の運動を早期から行う効果を検証した論文を紹介しました。

人工膝関節全置換術後の高強度運動は安全に実施可能!  

2022年6月14日

TKA術後早期からの高強度の運動は安全に実施できますが、効果は低強度の運動とあまり差はないという悩ましい結果でした。

安全に実施できるので高強度運動を推奨しつつも、症状やモチベーションによっては、同等の効果がある低強度運動を選択するというのがいいかもしれないということでしたね。

 

それでは、術後早期からの積極的な筋トレは本当に不要なのでしょうか?

 

そこで、人工膝関節全置換術後に行う筋力トレーニングを行った効果を、従来のリハビリテーションと比較した論文を紹介します。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、人工膝関節全置換術後に行う運動負荷として、高強度運動と低強度運動を比較した内容になっています。

「Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379」 2018年に発行された論文になります。

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対象

Setting: Community physical therapy centers and University hospital research department.

Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379

対象は、TKAを予定している一次性片側変形性膝関節症の75歳未満の成人41名です。

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方法

Participants were randomized to supervised MST of the lower extremities 3 times/week for 8 weeks and physiotherapy session1/week (N.=21) or to SR, including physiotherapy sessions/telephone contact 1/week and writing home exercise logs (N.=20). Maximal strength in leg press and knee extension, 6-minute walk test, patient-reported functional outcome score and pain were assessed preoperatively, 7 days, 10 weeks and 12 months postoperatively.

Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379

下肢の最大筋力トレーニング(MST)を3回/週、8週間実施し、理学療法を1回/週行う群(N.=21)と、標準的な理学療法(SR)を1回/週行い、自宅で運動記録をつける群(N.=20)に無作為に振り分けられました。

MST群は、手術した脚のみのレッグプレスと膝伸展を含むトレーニングを週3回、8週間実施しています。

術後8日目から開始し、運動負荷は1RMの80-90% を5回×4セットとなっています。

そして、術前、7日後、10週間後、12ヶ月後にレッグプレスと膝伸展の最大筋力、6分間歩行テスト、患者報告による機能的転帰スコア、疼痛を評価しました。

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結果

Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379

こちらのグラフは、術後のレッグプレスの筋力の推移です。

Aが術側、Bが非術側となっています。

MST群が術側の筋力が10週間後から有意に改善し、12か月後にも高値を示しています。

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Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379

こちらのグラフは、術後の膝伸展筋力の推移です。

Aが術側、Bが非術側となっています。

MST群が術側の筋力が10週間後から有意に改善し、12か月後にも高値を示しています。

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結論

Participants undergoing MST experienced superior increases in leg press and knee extension muscle strength compared with those managed with SR from 7-day to 10-week follow-up. The difference in muscle strength was maintained at 12-month follow-up. No differences in functional performance were found at any time-point.

Husby VS, Foss OA, Husby OS, et al. Randomized controlled trial of maximal strength training vs. standard rehabilitation following total knee arthroplasty. Eur J Phys Rehabil Med. 2018 Jun;54(3):371-379

MSTを受けた参加者は、7日目から10週目までの追跡調査において、SRで管理された参加者と比較して、レッグプレスおよび膝伸展筋力の優れた増加を認めました。

筋力の差は12ヵ月後のフォローアップでも維持された。機能的パフォーマンスについては、どの時点でも差は認められませんでした。

 

筋トレによって、筋力はアップするけど機能的パフォーマンスは変わらないという解釈が難しい結果ですね。

8週間のトレーニングで12か月後も筋力に差があるのはすごい結果ですね!

機能的パフォーマンスが変化なければ筋力アップしても意味ないという意見もあるかもしれないですが、個人的には早期から積極的に運動したほうがいいと思いますね。

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まとめ
・人工膝関節全置換術後に行う筋力トレーニングを行った効果を、従来のリハビリテーションと比較した論文を紹介。

・下肢の最大筋力トレーニング(MST)と標準的なリハビリテーション(SR)で比較した。

・MSTを受けた参加者は、7日目から10週目までの追跡調査において、SRで管理された参加者と比較して、レッグプレスおよび膝伸展筋力の優れた増加を認めた。

・筋力の差は12ヵ月後のフォローアップでも維持されが、機能的パフォーマンスについては、どの時点でも差は認められなかった。

・機能的パフォーマンスが変化なければ筋力アップしても意味ないという意見もあるかもしれないが、個人的には早期から積極的に運動したほうがいいと考える。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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