抗がん剤後のしびれに対する冷却の効果とは?

 

前々回は、CIPNの予防として冷却療法や圧迫療法の実態について紹介しました。

冷却療法と圧迫療法の実態:抗がん剤後のしびれ(CIPN)の発症を予防する方法

2023年6月27日

 

冷却療法(CryTx)は脱毛予防やCIPN予防に効果があるとのことで注目されていますね。

 

他にも、非薬物療法としては運動や植物療法が効果的であることも紹介しましたね。

運動は神経細胞の変化を防いでしびれを予防する:抗がん剤後のしびれ(CIPN)を予防する方法

2023年6月26日

冷却療法と圧迫療法の実態:抗がん剤後のしびれ(CIPN)の発症を予防する方法

2023年6月27日

それでも、最近では冷却療法の効果が気になるところです。

CIPNも脱毛も予防できれば素晴らしいですからね。

 

そこで今回は、乳がん患者を対象に、冷却療法を行い、CIPNの症状やQOLへの効果について調査を行った論文を紹介します。

    

  

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今回紹介する論文の概要

 

今回紹介する論文は、乳がん患者を対象に、冷却療法を行い、CIPNの症状やQOLへの効果について調査を行った内容になります。

「Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703」. 2023年の新しい論文になります。

 

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方法

Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

対象として、2022年5月から10月の間に乳がん治療のためにカルボプラチン、ドセタキセル、またはパクリタキセルを使用した患者さんが選ばれました。

   

患者さんは、冷却療法を受けるグループと、受けないグループに分けられました。

冷却療法を受けるグループでは、氷の手袋とブーツを使用して手足を冷やしました。

 

この研究では、傾向スコアマッチング(PSM)という統計手法が使用されています。

これは、患者さんが自己申告した質問票の結果による偏りを補正するために行われました。

 

PSMは、患者さんの年齢、性別、腫瘍の転移、化学療法の種類、およびCIPNATまたはNCI-CTCAEスコアの基準値などの6つの変数を使用して行われました。

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結果

 

Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

   

Table 1は、冷却療法を受けたグループと受けなかったグループの患者さんの特徴を示しています。

   

この表では、患者さんの年齢、腫瘍の種類、乳がんのステージ、がんの組織学的特徴、転移の有無、乳房切除術の有無、化学療法の種類、治療サイクル数、標的治療の有無、合併症の有無、BMI、婚姻状況、出産回数、教育レベルなどが示されています。

 

この表からわかることは、冷却療法を受けたグループと受けなかったグループにおいて、これらの変数について大きな違いはないことです。

つまり、両グループは比較可能であると言えます

  

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Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

 

Table 2は、傾向スコアマッチング(PSM)を行った後の、冷却療法を受けたグループ(介入群)と受けなかったグループ(対照群)の基準値データの比較を示しています。

この表では、CIPNATスコアとNCI-CTCAEスコアが示されています。

 

CIPNATスコアとは、患者さんが自己申告した末梢神経障害(CIPN)の症状の重さを評価するためのスコアです。NCI-CTCAEスコアは、National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Eventsの略で、がん治療による副作用の重さを評価するためのスコアです。

 

この表からわかることは、PSMを行った後でも、両グループにおいてCIPNATスコアとNCI-CTCAEスコアについて大きな違いはないことです。

つまり、両グループは比較可能であると言えます。

  

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Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

 

Table 3は、冷却療法を受けたグループ(介入群)と受けなかったグループ(対照群)の患者さんにおける、末梢神経障害(CIPN)の臨床症状と重症度を示しています。

この表では、CIPNATスコアが示されています。

  

この表からわかることは、冷却療法を受けたグループの患者さんは、受けなかったグループの患者さんに比べて、CIPNATスコアが低いことです。

つまり、冷却療法を受けたグループの患者さんは、CIPNの症状が軽い傾向にあることがわかります。

 

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Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

   

Figure 2は、傾向スコアマッチング(PSM)を行った後の、冷却療法を受けたグループ(介入群)と受けなかったグループ(対照群)の患者さんにおける、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)の症状体験と干渉スコアの平均値の比較を示しています。

 

この図からわかることは、冷却療法を受けたグループの患者さんは、受けなかったグループの患者さんに比べて、CIPNの症状体験スコアと干渉スコアが低いことです。

つまり、冷却療法を受けたグループの患者さんは、CIPNの症状が軽く、日常生活への影響も少ない傾向にあることがわかります。

 

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Xu M, Wang F, Zhu X, Hao Z. Efficacy of cryotherapy on chemotherapy-induced peripheral neuropathy in patients with breast cancer: a propensity score-matched study. Ann Med Surg (Lond). 2023 May 23;85(6):2695-2703

   

Table 4は、冷却療法を受けたグループ(介入群)と受けなかったグループ(対照群)の患者さんにおいて、化学療法前後の神経毒性副作用の発生率を示しています。

この表では、NCI-CTCAE分類が使用されています。

 

NCI-CTCAEとは、National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Eventsの略で、がん治療による副作用の重さを評価するためのスコアです。このスコアは、副作用の種類と重症度に応じて、Grade 1からGrade 5までの5段階で評価されます。

 

この表からわかることは、冷却療法を受けたグループの患者さんは、受けなかったグループの患者さんに比べて、化学療法後の神経毒性副作用の発生率が低いことです。

つまり、冷却療法を受けたグループの患者さんは、神経毒性副作用が起こりにくい傾向にあることがわかります。

 

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考察

  

乳がん患者さんが化学療法を受ける際に、冷却療法を受けたグループと受けなかったグループの患者さんを比較した結果、冷却療法を受けたグループの患者さんは、CIPNの症状が軽く、日常生活への影響も少ないことがわかりました。

 

これは、乳がん患者さんが化学療法を受ける際に、冷却療法が役立つ可能性があることを示しています。

もし、あなたが乳がん患者さんで化学療法を受ける予定がある場合は、医師に相談してみてください。

冷却療法があなたにとって適切かどうか、医師が判断してくれます。

 

また、この論文では、冷却療法を受けたグループの患者さんは、寒さに耐えられないという理由で治療を中止することはありませんでした。

これは、冷却療法が比較的安全で、患者さんにとって負担が少ない治療法であることを示しています。

 

CIPN予防として冷却療法を試してみるのもよさそうですね。

      

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CIPNの発症,症状,評価についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。

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CIPNの予防・治療についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。

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2023年7月4日

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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