前回は、CIPNの予防として冷却療法や圧迫療法の実態について紹介しました。
冷却療法(CryTx)は圧迫療法(ComTx)よりも認識度が高く、推奨度も高かったんですが、実際に使用される割合は低く、効果に対する証拠が不十分であることが最も大きな障壁であったという結果でしたね。
他にも、非薬物療法としては運動が効果的であることも紹介しましたね。
それでは、他に効果的な非薬物療法がないのかをまとめたのが、今回紹介する論文になります。
CIPNは、がん治療中に起こる副作用の一つで、症状に悩む患者さんも多いため、この論文を紹介することで、皆さんに役立つ情報を提供できると思います。
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今回紹介する論文の概要
今回紹介する論文は、CIPNを防ぐための非薬物療法をまとめた内容になります。
「Klafke N, Bossert J, et al. Prevention and Treatment of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy (CIPN) with Non-Pharmacological Interventions: Clinical Recommendations from a Systematic Scoping Review and an Expert Consensus Process. Med Sci (Basel). 2023 Jan 30;11(1):15. doi: 10.3390」. 2023年の新しい論文になります。
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方法
Klafke N, Bossert J, et al. Prevention and Treatment of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy (CIPN) with Non-Pharmacological Interventions: Clinical Recommendations from a Systematic Scoping Review and an Expert Consensus Process. Med Sci (Basel). 2023 Jan 30;11(1):15. doi: 10.339
まず、対象となるがん患者さんについて、非薬物療法に関する文献レビューが行われました。
これは、過去に行われた研究を調べて、その結果をまとめることです。
そして、専門家の合意形成プロセスが行われました。これは、複数の専門家が集まって、その結果をもとに推奨事項を決定することです。
この論文では、75件の研究がレビューされました。
そして、様々な補完的手段がCIPNの支持的治療に有効であることが示されました。
このように、科学的な方法で推奨事項がまとめられています。
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結果
Klafke N, Bossert J, et al. Prevention and Treatment of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy (CIPN) with Non-Pharmacological Interventions: Clinical Recommendations from a Systematic Scoping Review and an Expert Consensus Process. Med Sci (Basel). 2023 Jan 30;11(1):15. doi: 10.339
こちらの表の左側が非薬物療法の種類で、濃いオレンジがCIPNに対する論文の数になります。
濃いオレンジが長いほど、CIPNに対する研究が行われているよいうことですね。
非薬物療法の種類としては
- フィトセラピー(植物療法)
- 運動療法
- マインドボディ療法
- 栄養療法
- 水治療
- 鍼灸/指圧
- 冷却療法
- 温熱療法
- マッサージ
- 低周波治療
などが挙げられています。
植物療法というのは、主にアロマセラピーなどのようですね。
植物療法と運動療法の研究数が多いことがわかりますね。
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Klafke N, Bossert J, et al. Prevention and Treatment of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy (CIPN) with Non-Pharmacological Interventions: Clinical Recommendations from a Systematic Scoping Review and an Expert Consensus Process. Med Sci (Basel). 2023 Jan 30;11(1):15. doi: 10.339
Figure 3は、「多職種によるCIPN症状管理」と題されています。
この図では、CIPNの症状管理において、様々な職種がどのように関与しているかが示されています。
図の中央には、「CIPN症状管理」と記載されており、その周囲には、様々な職種が配置されています。それぞれの職種は、CIPNの症状管理において、特定の役割を担っています。
例えば、医師は薬物療法や鍼灸/指圧などの治療を担当しています。
看護師は、フィトセラピー(植物療法)、水治療、冷却療法、温熱療法などの治療を担当しています。
心理学者は、マインドボディ療法や癒しのタッチなどの治療を担当しています。
栄養士は、栄養介入を担当しています。
理学療法士は、運動療法やマッサージなどの治療を担当しています。
このように、それぞれの職種に専門的な治療を検討してもらうことで、効果的なCIPNの治療が行えるということですね。
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考察
最近の研究では、17種類の非薬物療法がCIPNの予防や治療に有効であることが示されました。
これらの治療法は、患者さんごとに個別に検討する必要があります。医師と相談しながら、自分に合った方法を選択していくことが大切です。
例えば、運動療法はCIPNの予防や治療に有効です。
運動療法には、ストレッチや筋力トレーニング、有酸素運動などが含まれます。
これらの運動は、自宅でも行うことができます。
医師や理学療法士から指導を受けることで、正しい方法で運動することができます。
また、マインドボディ療法もCIPNの予防や治療に有効です。
マインドボディ療法には、リラクゼーションやヨガ、瞑想などが含まれます。
これらの方法は、心身のストレスを軽減し、リラックスすることができます。
さらに、フィトセラピー(植物療法)もCIPNの予防や治療に有効です。
フィトセラピーには、ハーブティーやアロマテラピーなどが含まれます。
これらの方法は、自然な方法で身体を癒すことができます。
このように、今回紹介した内容を参考に、医師や医療従事者と相談して、自分に合いそうなCIPNの治療法を検討するといいでしょうね。
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CIPNの発症,症状,評価についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。
CIPNの予防・治療についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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