乳がん患者は筋トレで浮腫が発症しやすくなる?

今までは、リンパ浮腫患者に対する運動の効果を中心にお話してきました。

  

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リンパ浮腫になってしまった後でも、運動が安全かつ効果的であることはよくわかりました。

  

それでは、まだリンパ浮腫が発症していない方には運動は安全に行えるのでしょうか?

  

リンパ浮腫発症予防のために、運動は控えるように指導される場合もありますよね。

  

今回は、乳がんサバイバーに対してレジスタンストレーニングを行うことがリンパ浮腫発症と関係するかを、システマティックレビューでまとめた論文を紹介します。

  

ストレッチ&エクササイズ「木楽」

   

   

今回紹介する論文の概要

   

今回紹介する論文は、乳がんサバイバーに対してレジスタンストレーニングを行うことがリンパ浮腫発症と関係するかを、システマティックレビューでまとめた内容になっています。

   

「Dos Santos WDN, Gentil P, de Moraes RF, et al. Chronic Effects of Resistance Training in Breast Cancer Survivors. Biomed Res Int. 2017;2017:8367803.」

   

2017年に発行された比較的新しい論文です。

ストレッチ&エクササイズ「木楽」

  

調査内容

  

システマティックレビューというのは、同じような内容について調査を行った論文を集めて、内容を吟味する手法のことです。

   

今回のような乳がんサバイバーの運動の効果や影響を調査したとしても、論文によっては結果が異なることも少なくありません。

   

ですので、多くの質の高い論文を集めて、その結果を吟味することで、より正確な検証ができるというわけです。

  

今回は2000年から2016年に発行された、手術、化学療法、放射線治療を受けた乳がんサバイバーのレジスタンストレーニングに関する論文を検索しています。

   

その中でも、評価項目として、筋力や運動機能、体組成、心理社会的パラメーター(倦怠感、うつ、生活の質など)、血液バイオマーカーを使用している論文に絞って調査しています。

   

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結果

Dos Santos WDN, Gentil P, de Moraes RF, et al. Chronic Effects of Resistance Training in Breast Cancer Survivors. Biomed Res Int. 2017;2017:8367803.

こちらの図は、論文を絞り込んでいった方法について記載されています。

最初は492編の論文を調査していたようですが、対象や評価項目、質の高さなどで絞っていって、最終的には10編の論文が吟味されています。

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Dos Santos WDN, Gentil P, de Moraes RF, et al. Chronic Effects of Resistance Training in Breast Cancer Survivors. Biomed Res Int. 2017;2017:8367803.

こちらの表は、乳がんサバイバーがレジスタンストレーニングを行った結果、上肢の筋力や下肢の筋力に変化があったのかを記載しています。

注目してほしいのは、右下にあるひし形のマークです。

これが、すべての論文の結果をまとめた内容となっています。

このひし形が、0の線をまたがずに右にあればレジスタンストレーニングは筋力をアップさせるということです。

逆に、ひし形が0の線をまたがずに左にあればレジスタンストレーニングは筋力をダウンさせるということになります。

ひし形が0の線をまたいだ時には、レジスタンストレーニングの効果は、はっきりしないという結果です。

今回は、2つの表ともひし形が0より右にあるので、レジスタンストレーニングは上下肢の筋力をアップさせるという結果になっていますね。

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Dos Santos WDN, Gentil P, de Moraes RF, et al. Chronic Effects of Resistance Training in Breast Cancer Survivors. Biomed Res Int. 2017;2017:8367803.

続いては体組成の結果です。

上から順番に、体脂肪、脂肪量、除脂肪体重の結果になります。

脂肪が増えたりしていないか、除脂肪体重というのは筋肉が増えたりしているかの評価になりますね。

結果としては、3つのグラフとも、ひし形が0をまたいでいるので、レジスタンストレーニングが脂肪や筋量に与える影響はよくわからないということです。

影響がよくわからないということは、言い換えると、レジスタンストレーニングを行っても脂肪や筋肉が増えるとは言えないということです。

リンパ浮腫には脂肪や体重の増加が関係しますので、この結果からは、レジスタンストレーニングを行っても、リンパ浮腫が増悪する可能性は少ないと言えそうです。

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結論

レジスタンストレーニングは乳がんリンパ浮腫のリスクを増加させなかったため、安全であると考えられます。

リンパ浮腫を増悪させず、筋力をアップさせてくれる可能性があります。

しかし、もっと正確に調査するためには、運動内容や負荷量、時間を統一する必要があるでしょうね。

複数の論文を吟味しているので、信ぴょう性は高くなりますが、介入の内容が微妙に異なっている可能性があるので、解釈には注意が必要です。

ただし、1つの論文の結果だけよりは、今回のシステマティックレビューの方が質が高い論文とされていますので、ある程度信じていいでしょう。

乳がんサバイバーの方々は、治療後には、過剰にリンパ浮腫を恐れずにレジスタンストレーニングを実施しても大丈夫そうです。

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まとめ
・乳がんサバイバーに対してレジスタンストレーニングを行うことがリンパ浮腫発症と関係するかを、システマティックレビューでまとめた論文を紹介。

・レジスタンストレーニングは上下肢の筋力をアップしていた。

・レジスタンストレーニングを行っても、脂肪や筋量に変化はなかった。

・治療後の乳がんサバイバーのレジスタンストレーニングは、リンパ浮腫増悪させずに、安全に実施できる可能性が高いようである。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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