前回は、リンパ浮腫患者さんに指導を行うと、知識の増加や症状の改善があり、効果的だったという論文を紹介しました。
指導が効果があるという結果でしたが、指導の内容や指導のタイミングをどのようにしてもらうべきか、具体的な記載がなかったのが残念でしたね。
そこで、今回は、具体的な内容として、圧迫療法の指導をしてもらうことで本当に効果があるのかを調査した論文を紹介します。
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今回紹介する論文の概要
今回紹介する論文は、リンパ浮腫患者に対して、自分で包帯を巻く圧迫療法を指導することで効果があるのかを調査した内容となっています。
「Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.」
2014年に発行されている論文になりますね。
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対象
Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.
調査の対象は、2011年1月から2012年6月の間にマギル大学保健センターのセルフバンディングクリニックに通った患者30名です。
対象者の条件は、
(1)毎日の圧迫包帯の期間が必要であるが、複合的理学療法を行う余裕がない、
(2)従来の集中治療を行うことができなかったが、自分自身を治療したい、または
(3)以前は複合的理学療法で治療され、満足のいく結果が得られず、セルフバンディングを試してみたかった。
となっています。
対象は、乳がんの上肢リンパ浮腫が最も多いですが、下肢のリンパ浮腫も含まれています。
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介入
Once a week, over a 2-year period (2011–2012), a certified physiotherapist specializing in lymphedema therapy taught patients and caregivers how to bandage with multilayer lymphedema bandages. The programme included an intensive course of self-bandaging, spanning a period of 3 to 12 weeks. Participants were told to keep the bandages on 24 hours a day, 7 days per week; the bandages were removed briefly to allow daily bathing or showering and then immediately reapplied. During this phase of treatment, patients were assessed weekly for limb volume, functional range of motion, and pain.
Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.
リンパ浮腫専門の理学療法士に指導してもらっています。
参加者は、包帯を1日24時間、週7日保管するように言われました。
包帯は、毎日の入浴またはシャワーを可能にするために簡単に取り外され、その後すぐに再適用されました。
治療のこの段階では、患者は毎週、四肢の容積、機能的な可動域、および痛みについて評価されています。
つまり、リンパ浮腫が発症した患者さんに、包帯の巻き方を指導して24時間装着してもらうような指導を行っているわけですね。
Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.
そして、このグラフのように、リンパ浮腫が改善しているかを経時的にグラフ化して、患者さんに示しています。
グラフで成果が見えるのはわかりやすくていいですね。
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結果
Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.
対象者全体でリンパ浮腫の改善が認められています。
重症度別にみると、中等度~重度のリンパ浮腫患者さんの方が効果があるようです。
中等度で52%、重度で48%の容積減少が認められています。
浮腫が半分くらい減るっているのはすごいですね!!
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結論
Appropriate long-term management is important in lymphedema care. Vignes and colleagues showed that lymphedema worsens over time if adherence to compression therapy (day-time compression garments and compression bandaging) is less than optimal. This case series suggests that good edema volume reduction may be attained through self-management. Moreover, a self-bandaging programme may be a route to increased independence and self-efficacy. In regions where the cost of DLT is not covered by public or private funds or where availability of DLT is limited, a programme such as this may benefit patients without compromising the effectiveness of treatment. The results presented here should stimulate interest in future case-control studies or randomized controlled trials to investigate patients who bandage themselves versus those who receive a full protocol of DLT or bandaging performed by a therapist.
Tidhar D, Hodgson P, Shay C, et al. A lymphedema self-management programme: report on 30 cases. Physiother Can. 2014 ; 66(4): 404-12.
リンパ浮腫の治療では、適切な長期管理が重要です。
今回の研究結果では、圧迫療法を指導してもらい、自己管理によって良好な浮腫量の減少が達成される可能性があることを示しています。
さらに、今回の自己包帯プログラムは、自己効力感を高める方法なのかもしれません。
やはり圧迫を行うことは重要ですし、正しい圧迫の方法を教えてもらうことは大事ですね。
医療者に治療してもらうだけでなく、自己管理で圧迫することで浮腫が減っていくと、自信にもつながりますね。
いつでも、どこでも、よりソエル。オンラインヨガ ソエル・圧迫療法として包帯の巻き方を指導してもらうことは、浮腫の減少に効果があった。
・医療者に治療してもらうだけでなく、正しい圧迫療法を指導してもらって、自己管理を行うことが重要です。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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