膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について論文解説

今回は、膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について調査した論文を紹介します。

 

最近は、がん患者さんの予後のことについての論文をよく紹介しています。

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2022年4月3日

手術後の大腸がん患者の予後はフレイルと関連するのか?

2022年4月2日

リハビリに関しても、最終的な目標は元気に長生きできることなので、短期間の成果というよりは予後まで研究することが増えてきていますね。

膵臓がんは、多くのがん種の中でも、予後が比較的悪いので、何が予後やQOLと関係しているかは知っていおいた方がいいでしょう。

そこで今回は、膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について調査した論文を紹介します。

まとめ
・膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について調査した論文を紹介。

・年齢が高い患者や併存疾患が多い患者、筋力発揮できない患者さんが栄養失調になりやすかった。

・膵がん患者さんは、QOLが低下しており、治療後もその低下は続いていた。

・栄養失調に関連するような症状が予後と関連していた。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について調査した内容になっています。

「Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.」、2022年に発行された新しい論文です。

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対象

A cross-sectional prospective study was conducted from January 2017 until December 2020 in the Oncology Day Clinic of Laikon General Hospital of Athens. Ninety-seven patients (49 men and 48 women, mean age 68.15 ± 9.44 years) with the diagnosis of pancreatic cancer were consecutively enrolled during their introductory visit for chemotherapy (Table 1), after being informed of the aim of the study and the provision of written consent. The study protocol was approved by the Medical Ethics Research Committee of the Laikon General Hospital of Athens.

Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.

対象は、アテネのライコン総合病院の腫瘍学デークリニックで、膵臓がんと診断された97人の患者さん(男性49人と女性48人、平均年齢68.15±9.44歳)です。

化学療法を行っている患者さんが対象となっています。

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方法

筋肉量の目安として、体重やBMI、上腕の周径、皮下脂肪を測定しています。

 

栄養リスクスクリーニングは、MNA-SFを使用して実施しています。

MNA-SFには、減量、食欲、可動性、心理的ストレス、神経心理学的問題、BMIを評価する6つの質問が含まれています。

MNA-SFスコアの範囲は0〜14であり、患者は「正常な栄養状態(12〜14のスコア)、栄養リスク(8〜11のスコア)、または栄養失調(0〜7のスコア)」に分類されます。

 

フレイルはClinical Frailty scale(CFS)で評価されています。

CFSの範囲は1(非常に適切)から9(末期症状)です。

 

健康関連の生活の質(HQoL)は、EORTC QLQ-C30質問票で評価されています。

これは、身体的、感情的、役割、社会的の複数項目の機能サブスケール、および認知機能; 痛み、倦怠感、嘔吐、呼吸困難、睡眠障害、食欲、下痢、便秘などを測定する症状スケール、グローバルヘルスで構成されています。

 

これらの項目と生存率との関係性を調査しています。

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結果




Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.

こちらの表は対象者の特徴を示しています。

膵臓がん( n = 76)または肝胆道転移を伴う膵臓がん(n = 21)の合計97人の患者(49人の男性)が研究に含まれ、平均年齢は68.1±9.4歳でした。

ほとんどの患者は、ADLが自立している、18.3%はプレフレイルであり、フレイルに該当する患者はいませんでした。

患者の17%が化学療法の前に手術を受けていました。

平均BMIは24.2±3.5m/kg2で、治療開始前の3ヶ月および6ヶ月での平均体重減少率は8.0±9.5%、12.45±8.99%でした。

MNA-SFスコアによると、患者の80.3%が栄養失調でした。

さらに、男性の75%と女性の76.5%の患者が、筋力が発揮できていないダイナペニアという状態でした。

MNA-SFスコアで評価した栄養リスクは、年齢(r = -0.320、p = 0.003)および併存疾患(r = -0.307、p = 0.004)と負の相関があり、ダイナぺニア(r = 0.387、p = 0.001)と正の相関がありました。

つまり、年齢が高い患者や併存疾患が多い患者、筋力発揮できない患者さんが栄養失調になりやすいということです。

  




Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.

こちらの表はQOLの状態を示しています。

膵がん患者さんのHQoLは低下しており、治療中や治療後9か月でも、改善傾向ですが水準に達していない状態でした。

HQoLと栄養パラメーターとの可能な相関関係に関しては、ダイナペニアの患者さんがQOLが低いことが認められています。

Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.

QOLの症状スケールと予後の関係性も調査しています。

倦怠感の増加を報告した患者さんは予後が悪くなることがわかりました(OS p =0.007およびPFSp = 0.044)。

さらに、便秘の有病率が高くても予後が悪くなり、3か月間の胃腸障害の報告が増えると生存率が低くなっています。

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結論

Improving and maintaining muscle mass and functionality can have a major impact in terms of quality of life, independence, and better management of the disease. Patients with lower handgrip strength and dynamopenia reported lower HQoL. Studies on other types of cancer, i.e., colorectal cancer, identified the maintenance of skeletal muscle mass and functionality as an important factor affecting QoL [24]. On the other hand, added to the low muscle mass, symptoms related to lower nutritional intake, i.e., nausea and vomiting and constipation, were found to affect the prognosis of the patients, as they result in either limited nutrient intake or a higher possibility of discontinuation of the treatments due to higher toxicity [25]. According to the analysis, our patients were found to have lower OS and PFS, highlighting the necessity to provide early identification and management of symptoms of the disease that could compromise nutritional status.

Poulia KA, Antoniadou D, Sarantis P, et al. Pancreatic Cancer Prognosis, Malnutrition Risk, and Quality of Life: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2022 Jan 19;14(3):442.

筋肉の量と機能を改善および維持することは、生活の質、自立、および疾患のより良い管理の観点から大きな影響を与える可能性があります。

握力が低くダイナペニアの患者は、HQoLが低いと報告しました。

さらに、低筋肉量に加えて、栄養摂取量の低下に関連する症状、すなわち、倦怠感、吐き気、嘔吐、便秘は、患者の予後に影響を与えることがわかりました。

栄養状態を損なう可能性のある病気の症状を早期に特定して管理する必要性が浮き彫りになりました。

栄養状態不良によって、多くの症状スケールのQOLが低下し、さらに予後不良とも関連するようです。

栄養状態改善や栄養に関連する症状の改善が大事なようです。

栄養が大事という論文はたくさん出てきているので、なんとか栄養摂取や症状改善できるように注意しないとですね。

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まとめ
・膵臓がん患者さんのQOL、栄養状態、予後について調査した論文を紹介。

・年齢が高い患者や併存疾患が多い患者、筋力発揮できない患者さんが栄養失調になりやすかった。

・膵がん患者さんは、QOLが低下しており、治療後もその低下は続いていた。

・栄養失調に関連するような症状が予後と関連していた。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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