最近はリンパ浮腫に対する運動療法の効果について紹介してきました。
ガイドラインにおいても、運動療法は予防にも治療にも効果があるようですね。
しかし、実際にリンパ浮腫外来ではどんな治療を行っているのでしょうか?
今回は、がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアの内容について調査した論文を紹介します。
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・全国のがん診療連携拠点病院399施設のリンパ浮腫ケアを行っている看護師にアンケート調査を行った。
・乳がんや婦人科がん術後のリンパ浮腫予防の指導はしっかりと行われていた。パンフレットの作成等も充実していた。
・今後の課題は、多職種連携と地域へのリンパ浮腫ケアの啓蒙と思われる。
今回紹介する論文の概要
今回紹介する論文は、がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアの内容について調査した内容の論文となっています。
「奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻 」2017年に発行された日本の論文です。
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方法
1.対象施設: 全国のがん診療連携拠点病院(候補 399 施設)のう ち,調査協力への承諾が得られた施設.
2.調査内容:調査内容は,回答者の背景(看護師経験年数,職位,リンパ浮腫ケアに関する研修の受講経験,資格),施設の背景(病床数,設置母体,がん診療連携拠点病院の種類),「リンパ浮腫指導管理料」「リンパ浮腫複合的治療料」の算定状況および算定にかかる実践内容,リンパ浮腫に関連した研修の受講状況,リンパ浮腫ケアにおける課題,および当学会に期待するリンパ浮腫ケア研修の要望である.
3.調査方法:全国のがん診療連携拠点病院に委員会が作成した無記名自記式質問紙を郵送し,対象施設の看護管理責任者を通して施設内のリンパ浮腫ケアの状況を把握している看護師に回答を依頼した.質問紙の返送をもって研究への同意とみなした.
奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻
全国のがん診療連携拠点病院399施設に対して、リンパ浮腫ケアの実践内容や課題についてアンケート調査を行っています。
質問への回答は、施設内のリンパ浮腫ケアの状況を把握している看護師さんとなっています。
実際にリンパ浮腫外来で対応している看護師さんに対するアンケートといった感じですね。
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結果
奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻
こちらの表は、アンケートに回答した施設、看護師さんの基本情報になります。
300-1000床の一般病院が多いようです。
回答者は経験年数10年以上のベテラン看護師さんが大半です。
リンパ浮腫研修の受講はもちろんのこと、専門や認定看護師が多いようですね。
奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻
こちらが実際に行っているリンパ浮腫ケアの実践内容です。
乳がんや婦人科がん術後のリンパ浮腫予防指導はしっかりと行っているようです。
指導を行うのはやはり、大半が看護師さんのようですね。
意外とリハ職種も10-20%くらいが関わってはいるようです。
具体的な内容としては、セルフケアや生活注意点などの指導が基本のようです。
半数くらいは圧迫療法や運動指導まで行っています。
リンパドレナージは20%程度しか指導しないようです。
実際に実技が必要な内容は時間もかかるので指導できないことも多いのでしょうね。
指導方法としては、パンフレットや資料を用いるのが60%ほどでしょうか。
やはり、後から見返せる資料が欲しいところですね。
後々リンパ浮腫を発症した患者さんに、リンパ浮腫指導の内容についてもほとんど覚えていないということが多いです・・・。
奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻
こちらの表は、施設内で行っているリンパ浮腫ケアに関する取り組みになります。
パンフレット作成が最も多いですね。
個人的には、他職種との連携が50%程度なので、もっとリハ職種や栄養士さんなど専門職との連携も行えたらいいのかなと思います。
さらに、患者さんや地域の医療者に対するセミナー等が20-30%程度しか行われていません。
もっと、多くの患者さんや医療者がリンパ浮腫に関する知識を獲得できる機会を増やしてほしいなと思います。
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結論
調査の結果,回答のあった対象施設では,リンパ浮腫に関するパンフレットの作成など,患者教育の充実が図られており,またリンパ浮腫予防指導だけではなく,すでにリンパ浮腫を発症した患者の治療も行われるようになってきていることが明らかになった.しかし,現状ではリンパ浮腫に関する患者へのケアが十分行き届いているとはいえないことも示唆された.その原因はケアにあたる人材の不足だけではなく,その人材を生かすための施設の体制整備や多職種連携など多岐にわたっている.リンパ浮腫ケアに関わる研修の今後の方向性として,患者の個別性に合わせたケア提供方法の工夫など患者への直接ケアだけでなく,看護師が多職種と交渉することや,組織の体制づくりに積極的に参画するための方略の修得に向けた支援の重要性が示唆された.
奥 朋子, 藤田 佐和, 井沢 知子, 他. がん診療連携拠点病院におけるリンパ浮腫ケアに関する実態調査. 日本がん看護学会誌. 2017年 31 巻
パンフレット作成など施設内での看護師さんの取り組みはかなり積極的に行われているようです。
やはり、ポイントは多職種連携と地域へのリンパ浮腫ケアの啓蒙といったところですね。
医療者の方は、なんとか他職種連携や地域へのセミナー等を行う機会を増やすように頑張りましょう。
リンパ浮腫の患者さんは、このブログも含めてリンパ浮腫に関する正しい知識を深めるように頑張りましょう。
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・全国のがん診療連携拠点病院399施設のリンパ浮腫ケアを行っている看護師にアンケート調査を行った。
・乳がんや婦人科がん術後のリンパ浮腫予防の指導はしっかりと行われていた。パンフレットの作成等も充実していた。
・今後の課題は、多職種連携と地域へのリンパ浮腫ケアの啓蒙と思われる。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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