小児がん患者の親に対する動機づけ面接は症状や活動性を改善する  

今回は、小児がん患者の親に対して動機づけ面接を行うことが、小児がん患者の症状や活動性を改善するのかについて検討した論文を紹介します。

 

このブログでは高齢がん患者さんが活動量低下しやすいことについて紹介しています。

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活動量低下に対して、運動はもちろん大事ですが、活動や運動を増やしていくために、そのモチベーションを上げるいくことが大事になってきます。

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一方で、最近では小児がん患者も、体力低下や活動量低下することが問題となっております。

しかし、小児がん患者への対応についてはなかなか研究が進んでいない分野であります。

子供への対応って難しいですよね。

 

そこで今回は、小児がん患者の親に対して動機づけ面接を行うことが、小児がん患者の症状や活動性を改善するのかについて検討した論文を紹介します。

まとめ
・小児がん患者の親に対して動機づけ面接を行うことが、小児がん患者の症状や活動性を改善するのかについて検討した論文を紹介。

・週1-3回の頻度で6か月間、小児がん患者の親にメッセージを送り、動変化の進捗状況をモニタリングし、保護者の質問に答えた。

・介入後3-12か月後に、活動量の向上や倦怠感の改善、運動機能やQOLの改善が認められた。

・小児がん患者の改善のためには、親への教育・指導が重要であると考えられる。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、小児がん患者の親に対して動機づけ面接を行うことが、小児がん患者の症状や活動性を改善するのかについて検討した内容になっています。

「Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.」 2022年に発行された論文になります。

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対象

Parent-child dyads were enrolled using convenience sampling from March 11, 2019, to January 29, 2020. Hong Kong Chinese children who have survived cancer were eligible for study inclusion if they met the following criteria: (1) aged 9 to 16 years, (2) able to communicate in Cantonese and read Chinese, (3) had completed cancer treatment at least 6 months previously, and (4) had not engaged in regular PA in the previous 6 months. In addition, parents (either father or mother; the primary caregiver) should be able to use a smartphone with an instant messaging application (ie, WhatsApp or WeChat) installed. Children with evidence of recurrence or secondary cancers and those with physical impairment, cognitive impairment, or impaired mental status identified from their medical records were excluded. Parents with emotional or psychiatric disorders and cognitive and learning problems identified from their medical records were also excluded from the study.

Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.

対象は、2019年3月11日から2020年1月29日までに登録された小児がんサバイバーです。

以下の基準を満たした場合に研究対象者としています。

(1)9歳から16歳、(2)広東語でコミュニケーションが取れ、中国語が読める、(3)6カ月以上前にがん治療を終えている、(4)過去6カ月間に通常の身体活動を行えていない、(5)両親(父親または母親のどちらか、主たる介護者)は、インスタントメッセージングアプリケーション(例えば、WhatsAppまたはWeChat)がインストールされたスマートフォンを使用できる。

再発または二次がんの証拠がある子どもたち、および医療記録から特定される身体障害、認知障害、精神状態の障害がある子どもたち、感情や精神疾患、医療記録から認知や学習の問題が確認された保護者は調査から除外されました。

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方法

Parent-child dyads in the intervention group received a 10-minute health advice session delivered by a trained research nurse, who had received professional training from a clinical psychologist in delivering brief MI, at the time of recruitment in the pediatric outpatient clinics. The session highlighted the specific health benefits of regular PA for the children. In addition, an individual face-to-face brief MI session of approximately 10 minutes was delivered to parents. Moreover, children were asked about their sports preferences and interests during the assessment to enhance their enjoyment in performing PA.

Brief MI was delivered via instant messaging relatively intensively as per parents’ preferences, usually not less than once per week and not more than 3 times per week for the first 6 months. During each communication, parents were asked whether they had encouraged their child to perform regular PA in the past week. After 6 months, minimal messages were delivered to parents to maintain contact until the 12-month follow-up. The messages focused on monitoring their child’s behavior change progress and responding to any questions parents had.

Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.

介入群の親子連れは、小児科外来での募集時に、臨床心理士からMIを実施するための専門教育を受けた研究用看護師による10分間の健康アドバイスセッションを受けています。

このセッションでは、定期的な運動が子どもたちにもたらす特定の健康上の利点が強調されています。

保護者に対しては、約10分間の対面式簡易MIセッションが実施されました。

このセッションでは、看護師と保護者の間に信頼関係を築き、インスタントメッセージングアプリケーションを介して配信される簡単なMIでのコミュニケーションを促進しています。

さらに、子どもたちは、PAを行う楽しみを高めるために、評価の際にスポーツの好みや興味について質問されました。

MIは、保護者の希望に応じてインスタントメッセージで比較的集中的に行われ、最初の6ヶ月間は通常週1回以上、週3回以下でした。

各通信の中で、保護者は過去1週間に子どもに定期的なPAを行うように勧めたかどうかを尋ねられました。6か月後、12か月後のフォローアップまで連絡を保つために、最低限のメッセージが保護者に届けられています。

メッセージは、子どもの行動変化の進捗状況をモニタリングし、保護者の質問に答えることに重点が置かれました。

 

対照群の参加者は、10分間の健康相談セッションを受けましたが、対照群の親は、研究期間中、インスタントメッセージで配信される簡単なMIを受け取ることはありませんでした。

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結果

Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.

合計161が参加に同意し、介入群(n = 81)または対照群(n = 81)にランダム化されました。12ヶ月での保持率は介入群で92.6%、対照群で88.6%でした。

子供の平均(SD)年齢は12.4(2.4)歳(範囲、9〜16歳)、93人の子供は男の子(57.8%)、68人は女の子(42.2%)でした。

ほとんどの子供は白血病、リンパ腫、または脳腫瘍と診断されていました(133 [82.6%])。

両親の平均(SD)年齢は42.8(6.2)歳(範囲、32〜59歳)、115人の両親は女性(71.4%)、46人(28.6%)は男性でした。

 

こちらの表は、PAに対する介入効果に関する結果を報告したものです。

T0がベースライン、T1=1か月後、T2=3か月後、T3=6か月後、T4=12か月後になります。

主要評価項目(PAレベル)については,介入による子どものPAレベルの促進において,有意な主効果が認められています(β = 1.95; 95% CI, 1.62-2.23; P < .001)。

対照群と比較して、介入群はT2、T3、およびT4において有意に大きなPAレベルの増加を示しました(群間相互作用効果、T2:β = 2.32; 95% CI, 1.92-2.73; P < .001; T3:β = 3.09; 95% CI, 2.65-3.53; P < .001; およびT4:β = 3.91; 95% CI, 3.45-4.36; P < .001 )。

12か月の研究期間中、介入群の参加者の中等度から活発なPAレベルは、対照群の6.3%と比較して、72.8%増加しました。

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Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.

こちらの表は、倦怠感、握力、最大呼気量、QOLに対する介入効果に関する結果を報告したものです。

12か月後にはすべての項目で介入群に効果が出ている結果となります。

倦怠感や握力は3か月後くらいからの早期に効果が出ていますね。

活動量をアップするだけでなく、症状や運動機能、QOLにも効果があるという結果です。

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結論

In this randomized clinical trial, a brief MI intervention delivered to parents via mobile instant messaging applications was effective in promoting the adoption and maintenance of regular PA among Chinese children who survived cancer. The intervention can be integrated into pediatric survivorship care to attenuate cancer- and treatment-related adverse effects and improve QOL among the vulnerable pediatric oncology population.

Cheung AT, Li WHC, Ho LLK, et al. Efficacy of Mobile Instant Messaging-Delivered Brief Motivational Interviewing for Parents to Promote Physical Activity in Pediatric Cancer Survivors: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2022 Jun 1;5(6):e2214600. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.14600.

この無作為化臨床試験において、携帯電話のインスタントメッセージングアプリケーションを介して保護者に配信された簡単なMI介入は、がんを克服した中国の小児における定期的な運動の採用と維持の促進に効果的でした。

この介入は、がんおよび治療に関連した副作用を軽減し、脆弱な小児がん患者集団のQOLを改善するために、小児サバイバーシップケアに統合することができると考えられます。

 

小児がんサバイバーは、体力低下で学校生活が大変になる子も多いでしょうから、今回のような介入で活動量がアップして症状改善、体力向上するのは素晴らしい結果ですね。

子供への指導ってなかなか難しいので、指導のポイントはやはり親になるのでしょう。

しかし、親が子供に活動を促しても喧嘩になってしまいそうですから、やはり促し方のポイントを指導しておくことが大事なんでしょうね。

このような小児がんサバイバーの親への教育・指導が広まっていく世の中になしていきたいですね。

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まとめ
・小児がん患者の親に対して動機づけ面接を行うことが、小児がん患者の症状や活動性を改善するのかについて検討した論文を紹介。

・週1-3回の頻度で6か月間、小児がん患者の親にメッセージを送り、動変化の進捗状況をモニタリングし、保護者の質問に答えた。

・介入後3-12か月後に、活動量の向上や倦怠感の改善、運動機能やQOLの改善が認められた。

・小児がん患者の改善のためには、親への教育・指導が重要であると考えられる。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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