前回は、抗がん剤治療による末梢神経障害(CIPN)に対してどれくらい悩んでいるのかを調査した資料を紹介しました。
2003年と比較すると2013年にはCIPNの悩みが増えているという結果でしたね。
ちなみに、CIPNに関わらず「しびれ」っていうと、冷えるとひどくなるような印象がありますよね。
しびれと血流は関係している印象はありますが、CIPNの場合はどうなのでしょうか?
温めて血流を良くすることで、しびれが軽減するのであればお手軽ですよね!
そこで、今回はリマプロストという血流を改善する薬剤を使用することで、化学療法後のしびれ、痛みの症状が改善するかを調査した論文を紹介します。
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今回紹介する論文は、リマプロストという血流を改善する薬剤を使用することで、化学療法後のしびれ、痛みの症状が改善するかを調査した内容になります。
「Gauchan P, et al. Effects of the prostaglandin E1 analog limaprost on mechanical allodynia caused by chemotherapeutic agents in mice. J Pharmacol Sci. 2009 Mar;109(3):469-72.」 2009年の少し古い論文になります。
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方法
この論文では、リマプロストという薬が、抗がん剤による痛みを和らげるかどうかを調べるために、実験が行われました。
実験では、マウスを使って、抗がん剤のパクリタキセル、オキサリプラチン、ビンクリスチンの3種類をそれぞれ投与し、その後リマプロストを投与して、痛みの変化を調べています。
痛みは、「機械的アロディニア」と呼ばれる方法で測定されました。
これは、マウスの足に軽い圧力をかけて、反応を見る方法です。
具体的には、「von Frey filament」と呼ばれる器具を使って、足の裏に圧力をかけます。
その際のマウスの反応(足を上げる、足を動かすなど)に応じて、痛みの程度が評価されます。
また、血流の変化も調べられました。
これは、「レーザードップラー流量計」と呼ばれる器具を使って測定されます。この器具は、レーザー光を皮膚に当てて、その反射光から血流量を測定するものです。
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結果
Gauchan P, et al. Effects of the prostaglandin E1 analog limaprost on mechanical allodynia caused by chemotherapeutic agents in mice. J Pharmacol Sci. 2009 Mar;109(3):469-72.
まず、抗がん剤のパクリタキセル、オキサリプラチン、ビンクリスチンの3種類をそれぞれ投与したマウスについて、痛みの変化が調べられました。
その結果、3種類の抗がん剤はすべて、投与後3日目から痛みを引き起こし、10〜14日後にピークに達しました。
この痛みは、投与後40日(パクリタキセル)、25日(オキサリプラチン)、35日(ビンクリスチン)でほぼ消失しました。
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Gauchan P, et al. Effects of the prostaglandin E1 analog limaprost on mechanical allodynia caused by chemotherapeutic agents in mice. J Pharmacol Sci. 2009 Mar;109(3):469-72.
次に、リマプロストが抗がん剤による痛みを和らげるかどうかが調べられました。
その結果、リマプロストは、パクリタキセルとオキサリプラチンによる痛みの遅い段階(投与後4〜6日目)を抑制しました。
しかし、ビンクリスチンによる痛みには影響しませんでした。
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Gauchan P, et al. Effects of the prostaglandin E1 analog limaprost on mechanical allodynia caused by chemotherapeutic agents in mice. J Pharmacol Sci. 2009 Mar;109(3):469-72.
さらに、抗がん剤が血流に与える影響も調べられました。
その結果、パクリタキセルとオキサリプラチンは血流を減少させましたが、ビンクリスチンはそうではありませんでした。
また、リマプロストはパクリタキセルとオキサリプラチンによる血流の減少を防ぎました。
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結論
リマプロストという血流増加の薬剤がパクリタキセルおよびオキサリプラチンによって引き起こされる神経障害性アロディニアに有効であった。
一方で、ビンクリスチンによって引き起こされる神経障害性アロディニアには効果がなく、これは、血流非依存的なメカニズムが関与している可能性がある。
つまり、血流低下が関連している痛みに関しては、血流増加させることによって痛みの改善が図れるというわけですね。
抗がん剤誘発性アロディニアに対する治療法は使用される抗がん剤に応じて選択されるべきであることが示唆されています。
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CIPNの発症,症状,評価についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。
CIPNの予防・治療についてはコチラにまとめてますので、参考にしてみてください。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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