がんのむくみ、リンパ浮腫に対する日常生活の注意点について解説

前回はリンパ浮腫の治療方法について説明しました。

がんのむくみ、リンパ浮腫が出たときの治療方法は?複合的治療について解説

2023年6月10日

 

標準的な治療である複合的理学療法を紹介しましたが、その中にセルフケア指導というのがありましたね。

具体的には、セルフケアとしてどのようなことを注意したらいいのでしょうか

今回はリンパ浮腫患者が知っておくべき日常生活の注意点について解説します。

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日常生活の注意点

体重の管理

リンパ液が流れるリンパ管は皮膚のすぐ下や、皮膚の下にある皮下組織という場所を通っています。

皮下組織の中の、皮下脂肪が多くなると、脂肪に圧迫されてリンパ液の流れが悪くなってしまいます。

よって、肥満はリンパ浮腫の発症や増悪に関連していると言われています。

 

2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでも、

「肥満は続発性リンパ浮腫発症の危険因子か?」

「体重管理は続発性リンパ浮腫の発症率を下げる、あるいは浮腫を軽減するか?」

 

というClinical Questionに対して、

上肢のリンパ浮腫に関しては、ほぼ確実であると記載されています。

 

体重管理の日常生活指導を行い、肥満を予防することは非常に大事ということですね。

毎日体重を図って、自分の体重の変動を把握して、適切な体重を維持できるようにしておきましょう。

 

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感染症予防

蜂窩織炎のような感染症を起こすと、炎症によって腫れてしまい、浮腫がひどくなってしまいます。

 

2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでも、

「感染は続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか?」

 

というClinical Questionに対して、

ほぼ確実であると記載されています。

 

リンパ浮腫患者さんは、免疫が落ちて、感染しやすくなっているので、感染予防が重要です。

 

具体的には、

①皮膚の傷のチェック(爪切り含む),②農作業やペットなどの感染経路に注意,③疲労が蓄積しないようにする

などが挙げられます。

 

皮膚に傷があると、そこに菌が入って感染してしまいますので、すぐに手当てをするようにしましょう。

感染を起こした後には、すぐに医療機関を受診して、抗生剤で治療することも大事です。

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適度な運動

これは複合的理学療法の中にも含まれている内容ですね。

運動で筋肉をポンプのように働かせることで、血液やリンパ液の流れが良くなります。

 

しかし、過度な運動は、リンパ管の負担が大きくなったり、疲労のため感染しやすくなったりします。

ですので、「適度な」運動を行うことが重要です。

適度って難しいですけどね・・・。

 

実際には、運動後に浮腫が強くなったりしてないか、スキンチェックをしながら運動負荷を調整していくといいでしょう。

リンパ浮腫に負担がかかるから運動しちゃいけないという考えに陥らないように注意してください。

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それ以外

立ちっぱなしや座りっぱなしで、動いていないと浮腫が増悪しやすいです。

適度に筋肉を動かすようにしましょう。

 

また、圧迫療法はリンパ浮腫の治療として有効ですが、

部分的に過度に圧迫してしまうと、リンパ管がつぶされて、浮腫が増悪してしまいます。

下着やベルトなどで部分的に締め付けがきつくならないように注意が必要です。

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まとめ
・肥満はリンパ浮腫増悪の危険因子であるので、体重管理が重要である。

・リンパ浮腫患者さんは、免疫が落ちて、感染しやすくなっているので、感染予防が重要である。

・適度な運動も必要だが、過度な運動になっていないか、運動後の浮腫の状況を確認する必要がある。

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