点滴はがんのむくみ、リンパ浮腫の原因になるのか?

前回の記事では、採血、注射、血圧測定、外傷、飛行機は、リンパ浮腫の増悪と関係があるかはっきりしなかったという論文を紹介しました。

がんのむくみやリンパ浮腫は、採血、注射、血圧測定と関係するのか?

2023年6月11日

 

ただし、研究というものは多くの方が行っているので、異なる結果が出ることも多いです。

つまり、手術側で処置をすると、リンパ浮腫になるよって論文も存在する可能性もあります。

 

そこで、今回は、手術側の腕に点滴で化学療法を行った場合のリンパ浮腫発症のリスクについて調査した論文を紹介します。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、乳がんの腋窩リンパ節郭清術を受けた患者の、手術側の腕に点滴で化学療法を行った場合のリンパ浮腫発症のリスクについて調査した内容となっております。

「Bevilacqua JL, Kattan MW, Changhong Y, et al. Nomograms for predicting the risk of arm lymphedema after axillary dissection in breast cancer. Ann Surg Oncol. 2012; 19(8): 2580-9.」2012年に発行された論文です。

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対象

Clinicopathologic features were collected from a prospective cohort comprising 1,054 women with unilateral breast cancer undergoing ALND as part of their surgical treatment from August 2001 to November 2002.

Bevilacqua JL, Kattan MW, Changhong Y, et al. Nomograms for predicting the risk of arm lymphedema after axillary dissection in breast cancer. Ann Surg Oncol. 2012; 19(8): 2580-9.

対象は、2001年から2002年の間に、乳がんの腋窩リンパ節郭清術を受けている片側性乳がんの女性1,054人です。

両側乳がんや再発の再発の患者さんは除外されているようです。

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方法

Data collection was performed using a previously developed standardized questionnaire, which was lled out the day before and on the rst day after surgery, as well as during the follow-up visits scheduled 30 days after surgery and every 6 months thereafter.40 The questionnaire assessed the following groups of factors: arm volume measurements, demographic data (age, marital status, education, job); body mass index (BMI); treatment data (surgery, level of ALND, number of days with suction drain, and use of neo- and adjuvant chemotherapy, radio-therapy, and hormone therapy); tumor characteristics (histologic type, tumor size, lymph nodes status, tumor staging, number of axillary lymph nodes surgically removed, and number of nodes involved); and clinical

Bevilacqua JL, Kattan MW, Changhong Y, et al. Nomograms for predicting the risk of arm lymphedema after axillary dissection in breast cancer. Ann Surg Oncol. 2012; 19(8): 2580-9.

腕の容積、年齢、結婚状況、教育、仕事、BMI、手術、腋窩リンパ節郭清術のレベル、吸引ドレーン留置日数、アジュバント化学療法、放射線療法、ホルモン療法、 腫瘍の組織型、腫瘍サイズ、リンパ節の状態、腫瘍の病期分類、外科的に切除された腋窩リンパ節の数、および関与するリンパ節の数を調査して、リンパ浮腫発症との関連性を調査しています。

 

前回の論文では、腕の容積はぺロメーターという機械を使用していましたが、今回は測定方法が異なります。

https://riskcalc.org/BreastCancerArmLymphedemaArmVolume/

 

このように、腕の5か所の周径を測定することで、体積を計算できるようです。

これなら、高価な機械なしでも、メジャーだけで体積が測定できますね。

 

単純に周径をチェックするよりもいいかもしれません。

引用元のサイトで計算できるので、興味がある方は参考にしてください。

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結果

Bevilacqua JL, Kattan MW, Changhong Y, et al. Nomograms for predicting the risk of arm lymphedema after axillary dissection in breast cancer. Ann Surg Oncol. 2012; 19(8): 2580-9.

リンパ浮腫の全体的な5年間の累積発生率は30.3%でした。

合計で、180人の患者がリンパ浮腫の発症前に死亡しています。

手術後の最初の36か月間、リンパ浮腫の年間発生率はほぼ直線的に増加し、その後減少していきます。

5年間で30%の患者さんがリンパ浮腫になるっているのは、思ったよりも多い気がしますね。

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Bevilacqua JL, Kattan MW, Changhong Y, et al. Nomograms for predicting the risk of arm lymphedema after axillary dissection in breast cancer. Ann Surg Oncol. 2012; 19(8): 2580-9.

リンパ浮腫の独立した危険因子は、年齢、BMI、手術側の腕の化学療法、リンパ節郭清のレベル、放射線療法の場所、術後血腫の発症、感染症、および早期浮腫でした。

前回と同様に、肥満や感染、リンパ節郭清などが要因として挙がってます。

相変わらず、体重管理や感染予防の重要性が伺えますね。

しかし、前回と違って手術側の腕の化学療法も、リンパ浮腫の要因となっていますね。

ただし、前回の論文は採血や注射がリンパ浮腫と関係ないとのことでしたが、今回の論文の結果は点滴の刺激だけでなく、化学療法を行っているということも関係しているかもしれないですね。

化学療法とはつまり抗がん剤のことなので、悪影響を与えそうな印象はありますね。

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結論

この研究の結果では、 年齢、BMI、手術側の腕の化学療法、リンパ節郭清のレベル、放射線療法の場所、術後血腫の発症、感染症、および早期浮腫がリンパ浮腫と関連していることを示しています。

点滴を刺す刺激か、抗がん剤の刺激の影響かはよくわかりませんが、手術側の腕を使って点滴で化学療法を行うことは避けた方がいいでしょうね。

感染予防と体重管理も大事ですよ!!。

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まとめ
・乳がんの腋窩リンパ節郭清術を受けた患者の、 手術側の腕に点滴で化学療法を行った場合のリンパ浮腫発症のリスクについて調査した内容の論文の紹介。

・リンパ浮腫の全体的な5年間の累積発生率は30.3%であった。

・リンパ浮腫の独立した危険因子は、年齢、BMI、手術側の腕の化学療法、リンパ節郭清のレベル、放射線療法の場所、術後血腫の発症、感染症、および早期浮腫だった。

・手術側の腕を使って点滴で化学療法を行うことは避けた方がいいでしょう。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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