前回の記事で、化学療法を受けた肺がん患者はフレイルになりやすいことを紹介しました。
フレイルとは体が弱っている状態なので、生活の質(QOL)が低下しそうですよね。
実際のところはどうなのでしょうか?
今回紹介する論文では、がん患者さんの体力や健康状態が、生活の質にどう影響するかを調査しています。
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今回紹介する論文の概要
今回紹介する論文は、今回紹介する論文では、がん患者さんの体力や健康状態が、生活の質にどう影響するかを調査した内容になります。
「Su M, et al. Frailty and its association with health-related quality of life among older cancer patients: an evidence-based study from China. Health Qual Life Outcomes. 2022 Aug 19;20(1):124. doi: 10.1186/s12955-022-02032-7. 」。
2022年の新しい論文になります。
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方法
Su M, et al. Frailty and its association with health-related quality of life among older cancer patients: an evidence-based study from China. Health Qual Life Outcomes. 2022 Aug 19;20(1):124. doi: 10.1186/s12955-022-02032-7.
この論文では、中国の二つの大きな病院で、60歳以上のがん患者さん229人を調べました。
この人たちは、中国でよくあるがんの種類(肺がんや胃がんなど)にかかっていて、診断されてから3ヶ月以上経っている人たちでした。
この論文では、体力や健康状態と生活の質の関係を調べたかったので、それぞれについて質問しました。
体力や健康状態を測る質問は、G-8という評価です。
G-8は、食事や体重、動けるかどうか、年齢などを聞いて、点数をつけます。
点数が低いと、体力が弱くて健康状態が悪いということになります。
生活の質を測る質問は、EQ-5D-5Lというものです。
EQ-5D-5Lは、歩けるかどうか、自分で身の回りのことができるかどうか、普段の活動ができるかどうか、痛みや不快感があるかどうか、不安や落ち込みがあるかどうかを聞いて、点数をつけます。
点数が高いと、生活の質が高いということになります。
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結果
Su M, et al. Frailty and its association with health-related quality of life among older cancer patients: an evidence-based study from China. Health Qual Life Outcomes. 2022 Aug 19;20(1):124. doi: 10.1186/s12955-022-02032-7.
Table1は、調べた人たちの特徴についてまとめた表です。
対象者の平均年齢は68歳で、男性が多く(79.5%)、ほとんどが結婚していました(93.9%)。
また、肺がんが最も多く(45.0%)、進行度が高い(III-IV期)人が多い(62.5%)ようです。
able2は、対象者の体力や健康状態と生活の質についてまとめた表です。
G-8の平均点数は3.1点で、EQ-5D-5Lの平均点数は0.69点であることがわかります。
また、G-8の点数が低い(体力が弱くて健康状態が悪い)人ほど、EQ-5D-5Lの点数も低く(生活の質が低い)こともわかります。
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対象者の体力や健康状態と生活の質の関係について、統計的に分析しています。
この論文では、Tobit回帰とロジスティック回帰という二つの方法を使って、統計的な分析を行いました。
G-8の点数が1点低くなると、EQ-5D-5Lの点数が0.047点低くなっています。
これは、G-8の点数が1点低くなると、生活の質が低い(EQ-5D-5Lの点数が0.5点以下)確率が1.3倍高くなっています。
QOLに関連していた項目は以下の通りです。
- G-8 score: 体力や健康状態を測る点数です。この点数が低いほど、生活の質も低くなります。
- Cancer stage: がんの進行度を示す段階です。この段階が高いほど、生活の質も低くなります。
- Marital status: 結婚状況です。結婚している人のほうが、生活の質が高いことがわかりました。
- Cancer site: がんの発生部位です。この部位によって、生活の質に違いがあります。特に、胃がんや大腸がんの人は、生活の質が高いことがわかりました。
フレイルと生活の質は関係していそうということですね。
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対象者の社会的な特徴や医学的な特徴と生活の質の関係について、統計的に分析しています。
性別が女性であると、EQ-5D-5Lの点数が0.003点低くなります。
性別が女性であると、生活の質が低い(EQ-5D-5Lの点数が0.5点以下)確率が0.9倍低くなります。
QOLに関連していたのは以下の通りです。
- Frailty status: 体力の弱さを示す状態です。この状態が弱いほど、生活の質も低くなります。
- Cancer stage: がんの進行度を示す段階です。この段階が高いほど、生活の質も低くなります。
- Cancer site: がんの発生部位です。この部位によって、生活の質に違いがあります。特に、胃がんや大腸がんの人は、生活の質が高いことがわかりました。
- Marital status: 結婚状況です。結婚している人のほうが、生活の質が高いことがわかりました。
やはり、フレイルとQOLは関連しているようですね。
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考察
この論文の結果によると、以下のことがわかりました。
- 体力や健康状態が悪い人ほど、生活の質も低くなります。
- がんの進行度が高い人ほど、生活の質も低くなります。
- 結婚している人は、結婚していない人よりも生活の質が高くなります。
- がんの部位によっても、生活の質に違いがあります。特に、胃がんや大腸がんの人は、他の部位よりも生活の質が高くなります。
これらのことから、高齢のがん患者さんは、自分の体力や健康状態を知っておくことが大切だと言えます。
そして、体力は落とさないようにしておかないとですね!。
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フレイルの肝がん患者さんの運動の効果についてはコチラにまとめています。参考にしてみてください。
・229人のがん患者さんのうち、175人(76.4%)がフレイルでした。
・フレイルの人は、フレイルでない人よりも、QOLの点数が低くて生活の質が低いことがわかりました。
・また、年齢や性別などに関係なく、フレイルだと生活の質が低くなることがわかりました。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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