今回は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がん患者に対する鍼灸治療の有害事象について記載している内容を紹介します。
前回は、がんの精神症状やQOLに対して鍼灸治療の効果について記載している内容を紹介しました。
鍼灸治療は身体症状やQOLに効果があるかもしれませんが、なんとなく火傷のような皮膚への影響などが心配な気がしますよね。
そこで今回は、がん患者に対する鍼灸治療の有害事象について記載している内容を紹介します。
記載内容は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス 2016年版. 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会 (編). 金原出版、から引用させていただいております。
・鍼治療による有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、その実施は比較的安全ということになっている。
・灸治療に関しては報告がなかったようだが、イメージとしては低温やけどなどの皮膚障害には注意をした方がいいと思われる。
鍼灸治療による有害事象
①システマティックレビューでは、鍼治療の痛み(1~45%)、倦怠感(2~41%)、出血(0.03~38%)、気の遠くなる感じや失神(0~0.3%)などの軽微な有害事象が挙げられているが、重篤な有害事象は稀であると結論づけています。
② システマティックレビューでは、33件の無作為化比較試験のうち25件は有害事象の記載がなく、6件は有害事象が認められず、2件において穿刺部に微量の出血が報告されていたため、鍼治療の有害事象は軽度であると結論づけています。
③システマティックレビューでは、1件の無作為化比較試験において、90例のうち出血2例、傷1例、悪心1例があったが重篤な有害事象は認められず、鍼治療は適切に実施される場合には比較的安全であると結論づけています。
以上より、鍼治療による有害事象は低頻度かつ軽微であると考えられています。
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以上より,鍼治療による有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、その実施は比較的安全ということになっております。
それでも、鍼治療はやはり痛みや出血には注意をしておいた方がよさそうですね。
灸治療に関しては報告がなかったようですが、イメージとしては低温やけどなどの皮膚障害には注意をした方がいいでしょうね。
有害事象には注意しながら活用するようにしましょう。
64万人の患者様の声から誕生した腰痛対策マットレス『ドクタータフィ』・鍼治療による有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、その実施は比較的安全ということになっている。
・灸治療に関しては報告がなかったようだが、イメージとしては低温やけどなどの皮膚障害には注意をした方がいいと思われる。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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