コーヒーはがんのリスク?それとも予防?

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カロリー制限食や低脂肪食などが紹介されていましたが、もっとお手頃な食品はないのでしょうか?

 

よくテレビなんかでは健康食品として「コーヒー」が紹介されますよね。

コーヒーに関しては、がんの予防になるという話も聞きますし、逆に飲み過ぎると体に良くないというような話も聞きます。

実際のところ、コーヒーはがんの予防として効果はあるのでしょうか?

コーヒーを飲むだけで健康になるのであればお手軽ですね!!

そこで、今回はコーヒーを飲むことが、がん発症のリスク増加や減少に影響を与えるのかを検証した論文を紹介します。

まとめ
・コーヒーを飲むことが、がん発症のリスク増加や減少に影響を与えるのかを検証した論文を紹介。

・コーヒーの摂取は肝臓がんと子宮内膜がんのリスクを減少させると提案してもいいようである。

・それ以外の部位に関しては、強くは言及できずにさらなる研究が必要となっている。

・コーヒーのクロロゲン酸という物質の抗酸化作用によって、がん予防だけでなく、糖尿病や心疾患にも効果が期待できる。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、コーヒーを飲むことが、がん発症のリスク増加や減少に影響を与えるのかを検証した内容になっています。

「Zhao LG, Li ZY, Feng GS, et al. Coffee drinking and cancer risk: an umbrella review of meta-analyses of observational studies. BMC Cancer. 2020 Feb 5;20(1):101. 」、2020年に発行された論文です。36編のメタアナリシスとレビューをまとめて解析しています。

メタアナリシスという統計手法は、論文の中では最も質が高い根拠として位置づけられています。

こちらの記事でもメタアナリシスで解析した論文を紹介しています。

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対象と方法

Three researchers independently searched the PubMed, Embase, Web of Science and the Cochrane database of systematic reviews from inception to February 2019 for meta-analyses or systematic reviews of observational studies investigating the association between coffee consumption and risk of any developing cancer. We screened the titles and abstracts of all articles and then examined in detail and screened for applicability through full text. Further information on screening, selection procedure, and data collection were provided in the Additional file.

Additional studies were identified through Collaborative members’ awareness of ongoing and unpublished studies measuring steps and mortality. These studies were also required to meet the inclusion criteria stipulated in the previous systematic review. The investigators of studies found to be eligible were approached by AEP to ask whether they would participate in this meta-analysis.

Zhao LG, Li ZY, Feng GS, et al. Coffee drinking and cancer risk: an umbrella review of meta-analyses of observational studies. BMC Cancer. 2020 Feb 5;20(1):101.

対象とする論文は、3人の研究者が、P2019年2月までの系統的レビューのCochraneデータベースを個別に検索して、コーヒー消費と癌の発症リスクとの関連を調査する観察研究のメタアナリシスまたは系統的レビューを探しています。

272編の論文から絞って、36編のメタアナリシスとレビューを解析しています。

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結果

Zhao LG, Li ZY, Feng GS, et al. Coffee drinking and cancer risk: an umbrella review of meta-analyses of observational studies. BMC Cancer. 2020 Feb 5;20(1):101.

こちらの図は、それぞれのがん種で発症のリスクが増加するか、減少するかを示しています。

横棒が左側だけにあるとリスクが減少、横棒が右側だけにあるとリスクが増加するという結果になります。

結果として、コーヒーの摂取量は、子宮内膜がん、肝臓がん、黒色腫、口腔がん、咽頭がんのリスク減少と関連し、膀胱がんのリスク増大と関連していました。

前向きコホートのメタアナリシスという質の高い研究に絞って解析すると、最終的には、子宮内膜がん、肝臓がんのリスク減少と関連しているという結果となっています。

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結論

Zhao LG, Li ZY, Feng GS, et al. Coffee drinking and cancer risk: an umbrella review of meta-analyses of observational studies. BMC Cancer. 2020 Feb 5;20(1):101.

コーヒーは文献でいくつかの一般的ながんのリスクが低いことに関連していますが、肝臓がんと子宮内膜がんのリスクを減少させる関連性は強く提案できるようです。

他の部位に関しては、強くは言及できずにさらなる研究が必要と記載されています。

国立がん研究センターの報告でも、コーヒーの摂取によって肝がんと子宮体がんが予防できる可能性が記載されていますので、似たような結果となっております。

メカニズムとしては、コーヒーのクロロゲン酸という物質の抗酸化作用によって、がん予防と関連しているようです。

がん予防だけでなく、糖尿病や心疾患などにも効果があるようなので、健康のためにもコーヒーは飲んでよさそうですね。

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まとめ
・コーヒーを飲むことが、がん発症のリスク増加や減少に影響を与えるのかを検証した論文を紹介。

・コーヒーの摂取は肝臓がんと子宮内膜がんのリスクを減少させると提案してもいいようである。

・それ以外の部位に関しては、強くは言及できずにさらなる研究が必要となっている。

・コーヒーのクロロゲン酸という物質の抗酸化作用によって、がん予防だけでなく、糖尿病や心疾患にも効果が期待できる。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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