化学療法による神経障害性疼痛の治療とは?

今回は、化学療法による神経障害性疼痛の治療法についてまとめた論文を紹介します。

 

化学療法は種類によっては神経障害性疼痛という改善しにくい痛みを生じることがあり、そのような痛みはchemotherapy induced peripheral neuropathy:CIPNと呼ばれます。

以前の記事でも、CIPNの治療法について紹介しましたね。。

多くの方が、化学療法による副作用であるCIPNの痛みに悩まされています。

そこで、この論文では、CIPNの治療法について英語で報告された観察研究やランダム化比較試験をまとめ、どのような治療法が効果的かを検証しています。

この論文の内容が拡散されれば、多くの方がCIPNの治療について知りたいと思っていることや、自分自身や身近な人がCIPNで苦しんでいる場合に役立つ情報が提供できると思っています。

是非、この記事を参考にして、CIPNの治療法について理解を深めてください。

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今回紹介する研究の概要

今回紹介する論文は、CIPNの治療法について英語で報告された観察研究やランダム化比較試験をまとめ、どのような治療法が効果的かを検証内容になっています。

「D’Souza RS, Alvarez GAM, Dombovy-Johnson M, Eller J, Abd-Elsayed A. Evidence-Based Treatment of Pain in Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy. Curr Pain Headache Rep. 2023」 2023年に発行された最新の論文になります。

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調査方法:どのような研究が対象になったのか?

この論文では、英語で報告された観察研究やランダム化比較試験が対象となっています。

これらの研究は、CIPNの治療法による痛みの変化を報告したものです。

 

観察研究は、治療法を受けた患者さんのデータを集めて分析する方法で、ランダム化比較試験は、治療法を受けたグループと偽薬を受けたグループを比較する方法です。

 

また、この論文では、統計学的手法によるメタ解析が行われています。

メタ解析とは、複数の研究結果を統合して分析する手法であり、より信頼性の高い結果が得られます。

 

このような方法で多くの研究からデータを集めて分析することで、CIPNの治療法について客観的な知見が得られました。

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解析方法:どのような方法でデータを分析したのか?

D’Souza RS, Alvarez GAM, Dombovy-Johnson M, Eller J, Abd-Elsayed A. Evidence-Based Treatment of Pain in Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy. Curr Pain Headache Rep. 2023

この図は、研究の選択プロセスを示したものです。

まず、3724件のデータベースから検索を行い、その中から重複したデータや自動的に除外されたデータなどを取り除きました。

そして、2417件の研究をスクリーニングし、その中から関連性がないものや条件に合わないものを除外しました。

最終的に121件の研究が対象となり、さらに除外基準となった論文を除外して62件を解析ました。

 

このように多くの研究から対象となるものを選び出すことで、より信頼性の高い結果が得られます。

この選択プロセスはPRISMAというガイドラインに基づいて行われています。

PRISMAは、研究レビューを行う際に必要な手順や報告書作成方法を示したガイドラインであり、信頼性の高いレビュー作成に役立ちます。

このような厳密な選択プロセスやガイドラインに基づく方法で研究を選び出すことで、より正確かつ客観的な知見が得られることが期待されます。

 

この論文では、CIPNの治療法による痛みの変化を主な分析項目としています。

具体的には、治療前後の痛みの強さを数値化したものを比較し、治療効果の有無やその程度を評価しました。

また、副次的な分析項目として身体機能や感情機能の変化も評価しています。

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結果

この論文では、CIPNの治療法に関する62件の研究を対象に、メタ解析が行われました。

各治療法の推奨度がAからDまでの4段階で表されています。

Aが最も高い推奨度であり、Dが最も低い推奨度です。

この表では、抗うつ薬や抗てんかん薬などの薬物療法がAまたはBという高い推奨度を得ており、有効性が高いことが示されています。

一方で、手術や神経ブロックなどの侵襲的治療はCまたはDという低い推奨度を得ており、効果が限定的であることが示されています。

また、保守的治療についてはBからDまで幅広く分布しており、治療法によって効果の差があることが分かります。

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D’Souza RS, Alvarez GAM, Dombovy-Johnson M, Eller J, Abd-Elsayed A. Evidence-Based Treatment of Pain in Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy. Curr Pain Headache Rep. 2023

この表では、各研究の主要な結果がまとめられています。

例えば、治療前後の痛みの強さや身体機能・感情機能の変化が示されており、各治療法によってどのような効果があるかを比較することができます。

また、各研究のデザインやサンプルサイズも記載されており、それぞれの研究の信頼性を評価することができます。

その結果、化学療法による神経障害性疼痛の治療には、抗うつ薬や抗てんかん薬などの薬物療法が有効であることが示されました。

また、運動療法やマッサージなどの保守的治療も一定の効果があることが分かりました。一方で、手術や神経ブロックなどの侵襲的治療は効果が限定的であることが示されました。

さらに、異なる治療法間で有意差は見られませんでした。

これらの結果から、運動療法やマッサージなどのCIPNの治療においては保守的治療を中心に行うことが望ましいとされています。

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まとめ

この論文の結果から、CIPNの治療においては保守的治療を中心に行うことが望ましいとされています。

 

例えば、運動療法やマッサージなどは患者さん自身でも実践しやすく、日常生活に取り入れることも可能です。

また、食事や睡眠などの生活習慣も改善することで、痛みの軽減につながる場合があります。

さらに、ストレスを減らすためにリラックス法や認知行動療法を取り入れることも有効です。

 

抗うつ薬や抗てんかん薬などの薬物療法も有効ですが、副作用に注意する必要があります。

医師から指示された通りに服用し、副作用が現れた場合はすぐに医師に相談するよう心掛けましょう。

 

最後に、CIPNの治療は個人差が大きいため、自分自身の体調や生活スタイルを考慮しながら最適な治療法を選ぶことが重要です。

医師と密にコミュニケーションを取りながら治療計画を立て、積極的に治療に取り組むことが、痛みの軽減や生活の質の向上につながるようですよ。

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まとめ
・この論文は、化学療法による神経障害性疼痛の治療法についてまとめたものです。

・対象は、英語で報告された観察研究やランダム化比較試験で、CIPNの治療法による痛みの変化を報告したものです。

・duloxetineがCIPNの痛みを和らげることが示されています。

・物理療法や鍼灸なども一時的に改善することがあると報告されています。

・オピオイドやカンナビスは副作用があるため、使用が制限されることが多いです。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

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