今回は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がん患者に対するヨガの有害事象について記載している内容を紹介します。
前回は、がんの精神症状やQOLに対してヨガの効果について記載している内容を紹介しました。
ヨガは運動強度としては低強度の印象ですが、運動の一種ですので有害事象には注意が必要ですよね。
そこで今回は、がん患者に対するヨガの有害事象について記載している内容を紹介します。
記載内容は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス 2016年版. 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会 (編). 金原出版、から引用させていただいております。
・ヨガによる有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、がんに特化した有害事象は認められないため、その実施は比較的安全と考えらえれる。
・がん患者さんに関わらず運動時に注意すべき点を意識していればヨガの実施は問題ないようである。
ヨガによる有害事象
現時点で、本臨床疑問に関連するシステマティックレビューはありません。
がん患者に対するヨガの効果を検討した無作為化比較試験が35件あり、7件で有害事象に言及しています。
そのうち4件では有害事象はみられなかったませんでした。
有害事象を報告した3件の内訳は
①ヨガを行った100例中2例で腰部、肩の症状の再発がみられました。
②206例中1例で介入期間中に、おそらくヨガとは直接関係ない上室性頻拍がみられました。
③16例中1例で一過性の背筋のけいれんがみられました。
健常人でよくみられる有害事象として、筋肉痛、関節痛、めまい、咳き込み、しびれ感、 筋肉のけいれんが挙げられています。
35件の無作為化比較試験のなかでは、がん患者に特有、もしくは特に注意しなければならない有害事象はみられませんでした。
以上より、がん患者がヨガを行っても、その有害事象は低頻度かつ軽微であると考えられます。
しかし研究の大半が乳がん患者、乳がんサバイバーを対象としたものであることを念頭に置いて、慎重に考えられるべきであるとけつろんづけています。
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以上より,ヨガによる有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、がんに特化した有害事象は認められないため、その実施は比較的安全ということになっております。
がん患者さんに関わらず運動時に注意すべき点を意識していればヨガの実施は問題ないようですね。
いつでも、どこでも、よりソエル。オンラインヨガ ソエル・ヨガによる有害事象は報告は認められるものの、低頻度かつ軽微であり、がんに特化した有害事象は認められないため、その実施は比較的安全と考えらえれる。
・がん患者さんに関わらず運動時に注意すべき点を意識していればヨガの実施は問題ないようである。
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。
しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。
記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。
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