がんの治療の有害事象に対してヨガは効果があるのか?【ガイドライン解説】

今回は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がんの治療の有害事象に対するヨガの効果について記載している内容を紹介します。

前回は、がん患者に対するヨガの有害事象について記載している内容を紹介しました。

がん患者に対するヨガの有害事象は?【ガイドライン解説】

2022年10月9日

 

がん患者さんに関わらず運動時に注意すべき点を意識していればヨガの実施は問題ないという結論でしたね。

 

それでは、ヨガは、がんの治療の有害事象に効果は期待できるのでしょうか?

 

そこで今回は、がんの治療の有害事象に対するヨガの効果について記載している内容を紹介します。

記載内容は、がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス 2016年版. 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会 (編). 金原出版、から引用させていただいております。

まとめ
・がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がんの治療の有害事象に対するヨガの効果について記載している内容を紹介。

・ヨガは治療に伴うホットフラッシュを軽減させ、創傷治癒を促進させる可能性があるようである。

・ヨガは自律神経系に作用するイメージがあるので、ホットフラッシュや免疫に対して好影響があるのかもしれない。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】

化学療法に伴う悪心・嘔吐に対する効果

無作為化比較試験は2 件あり、

①乳がん患者が毎日1 時間,週6 回の ヨガ実習を行うと,対照群に比較して化学療法による悪心の強度と頻度を抑制したと報 告されています。

②もう一件の無作為化比較試験では,対照群との間に差はみら れなかったとされています。

 

以上より,結論を下すには研究の数が少なく,現時点で,ヨガががん患者の悪心・嘔吐を軽減するとは結論づけられないとされています。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】

ホットフラッシュに対する効果

本臨床疑問に関連するシステマティックレビューの報告はないが、無作為化比較試験が1件あります。

 

①無作為化比較試験では、乳がん患者において、ヨガを練習した患者 (n=17)は対照群(n=20)に比較して、ホットフラッシュの頻度、重症度ともに有意に改善したと報告しています。

 

以上より、ヨガは、乳がん患者のホットフラッシュを軽減することが示唆されますが、この結論は複数の大規模な研究で確認される必要があると結論付けています。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】

リンパ浮腫に対する効果

本臨床疑問に関連するシステマティックレビューの報告はないが、無作為化比較試験が1件あります。  

①無作為化比較試験では、乳がん関連続発性上肢リンパ浮腫(ステージⅠ)に対するヨガの効果を調べ、ヨガ群では介入期間中、患側上肢の組織硬化が改善したが、浮腫体積は対照群との間に差はなかったことを観察しています。

 

以上より、ヨガは、乳がん患者のリンパ浮腫に対して有用であるとは結論づけられないとしています。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】

創傷治癒に対する効果

本臨床疑問に関連するシステマティックレビューの報告はないが、無作為化比較試験が1件あります。

 

① 無作為化比較試験では、乳がん患者が手術前後にヨガを毎日練習すると、対照群に比較して術後のドレーン装着日数、抜糸までの期間、入院日数が短縮でき、合併症の発症を抑制できたと報告しています。

対照群では、手術後に血中TNFαが増加したのに対して、ヨガ練習群では低下したことから、ヨガの創傷治癒促進効果に炎症性サイトカインの抑制効果が関連している可能性があるとのことです。

 

しかしながら、すべてのがん手術において同様な効果が得られるかについては、今後さらなる検討が必用であると結論付けています。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】

まとめ

以上より,ヨガは治療に伴うホットフラッシュを軽減させ、創傷治癒を促進させる可能性があるようです。

 

やはり、ヨガって自律神経系に作用するイメージがありますので、ホットフラッシュや免疫に対して好影響があるのかもしれないですね。

「ABC Cooking Studio」から生まれた女性専用フィットネスジム【Bodies】
まとめ
・がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)より、がんの治療の有害事象に対するヨガの効果について記載している内容を紹介。

・ヨガは治療に伴うホットフラッシュを軽減させ、創傷治癒を促進させる可能性があるようである。

・ヨガは自律神経系に作用するイメージがあるので、ホットフラッシュや免疫に対して好影響があるのかもしれない。

注意
このブログは、ガイドラインや論文などの根拠をもとに情報を発信していく予定です。

しかし、がんの病態や治療方法によっては、お読みになっているがん患者さんにはその情報が当てはまらない場合もあります。

記事の内容を参考に新しく何かを始める場合には、担当の医師や医療従事者にご確認いただくようお願いいたします。

       興味があったらシェアしてください