前回はリンパ浮腫患者の日常生活の注意点について説明しました。
リンパ浮腫がひどくならないように日常生活で注意することは多いのですが、
昔ながらに注意されていたことでも、最近では関係しているのかはっきりしないことがわかってきています。
今回は、意外とリンパ浮腫と関連がはっきりしていない5つの項目について解説します。
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・採血、点滴、血圧測定、空旅、日焼けは、リンパ浮腫の原因として、「大きな関連なし」「証拠不十分」とされている。
・ほとんどの項目が論文が数編しかなくて、リンパ浮腫の原因になるとは強く言えないというような意味。
・どうしてもしょうがないときには、これらの項目の行為を、多少行ってもそれほど問題ないかもしれない。
リンパ浮腫と関連がはっきりしていない5つの項目
採血
採血の注射が、傷を作ったり、刺激となって、リンパ浮腫の原因となるということで、採血は手術側と反対の腕で行うようにと言われた患者さんも多いと思います。
2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでは、
「採血は続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか？」
というClinical Questionに対して、
大きな関連なしと記載されています。
点滴
点滴も採血と同じように手術側と反対の腕で行うようにと言われた患者さんも多いと思います。
点滴も注射も、同じ側からばかり行っていると、なかなか針が刺しにくくなって大変なことも多いですよね。
2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでは、
「点滴は続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか？」
というClinical Questionに対して、
証拠不十分と記載されています。
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血圧測定
日常生活指導で、部分的な締め付けは避けましょうと言われてましたね。
血圧測定も、部分的な締め付けをするためか、反対の腕で行うようにと言われることが多いです。
2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでは、
「血圧測定は続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか？」
というClinical Questionに対して、
大きな関連梨と記載されています。
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空旅
コロナ禍で、なかなか旅行にも行きにくい世の中ですが、たまには飛行機で遠くへ旅行なんか行きたいですよね。
飛行機に乗ると、気圧差の影響のためか、浮腫が増悪するので空旅を控えるように指導されることもあります。
2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでは、
「空旅は続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか？」
というClinical Questionに対して、
上肢は大きな関連なし、下肢は証拠不十分と記載されています。
日焼け
日焼けも皮膚への刺激になって、リンパ浮腫に影響がありそうですよね。
あまり日焼けしないように、日焼け止めや長袖で対策している人も多いと思います。
2018年版リンパ浮腫診療ガイドラインでは、
「日焼けは続発性リンパ浮腫発症・増悪の原因となるか？」
というClinical Questionに対して、
証拠不十分と記載されています。
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結果の解釈の注意点
意外な項目が、リンパ浮腫の原因として、「大きな関連なし」や「証拠不十分」と記載されていました。
しかし、ほとんどの項目が論文が数編しかなくて、リンパ浮腫の原因になるとは強く言えないというような意味です。
つまり、リンパ浮腫の原因かどうか、これだけではよくわからないっていう結果です。
これらのことを行っても絶対大丈夫、どんどん推奨しますということではないので注意してください。
個人的には血圧測定くらいは大丈夫と思いますが、
採血や点滴は好んで、手術側を使用しなくてもいいと思いますし、
日焼けなんかは、皮膚にとって刺激になるのは間違いないので、対策はしっかりしておいた方がいいです。
今回の結果は、どうしてもしょうがないときには、多少行ってもそれほど問題ないかも、くらいの感じで受け止めてください。
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・採血、点滴、血圧測定、空旅、日焼けは、リンパ浮腫の原因として、「大きな関連なし」「証拠不十分」とされている。
・ほとんどの項目が論文が数編しかなくて、リンパ浮腫の原因になるとは強く言えないというような意味。
・どうしてもしょうがないときには、これらの項目の行為を、多少行ってもそれほど問題ないかもしれない。
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