がんサバイバーって何?「がん患者」や「生存者」とは違うの?

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このブログでもよく「がんサバイバー」って言葉を使用していますが、みなさんはその意味はちゃんとわかっていますか?

今回は、がんサバイバーという言葉の意味や使用方法についてまとめてみました。

この記事の要約
・「がんサバイバー」とはがんが治癒した人だけでなく、がんを経験したすべての人を示す言葉である。
・「がんサバイバー」には、がんと向き合いながら自分らしく生きていく、という前向きな意味も含まれている。
・「がんサバイバー」という言葉はまだ普及しておらず、「がん患者」という言葉の方が一般的に使用されることが多い。

がんサバイバーの定義

「サバイバー」という言葉は、直訳すると「生存者」って意味になりますよね。

すごく過酷な状況を生き延びた人のようなイメージがすると思います。

がんは、その病気自体で、痛みやだるさなどの、生活がきつくなる症状が出現しやすいです。

さらには、手術や化学療法、放射線療法などの治療の副作用でも、吐き気やだるさなどの症状も出現しやすく、まさに過酷な状況といってもいいと思います。

つまり、「がんサバイバー」とは、がんやその治療によるきつい症状を伴う過酷な生活を生き延びた人、という意味なのでしょうか?

答えはNOです。

実は、「がんサバイバー」とは、がんの治癒の有無に関わらず、がんの診断後や治療中、治療後などすべての期間のがん患者さんのことを示します。

つまり、がんを体験した人すべてを「がんサバイバー」というのです。

がんサバイバーとサバイバーシップ

以前は生存率や生存期間の延長が、がん治療の第一目標とされていました

しかし、がん治療の進歩とともに生存率は延長し、2006年の「がん対策基本法」では、生存期間の延長だけでなく、生活の質の向上を目標とするように変化していきました。

いくら長生きできても、きつくて寝たきりで生活して、自分らしくない生活だとあまり意味ないのではないかと考えるようになったのです。

ただ生きるだけでなく、「自分らしく生きる」ことが注目されるようになりました。

そのような背景の中、がんサバイバーとは確かにがんを体験したすべての人を示しますが、「がんと向き合いながら自分らしく生きていく」という意味を含むようになっております。

そして、「サバイバーシップ」という言葉は、がんサバイバーが生活するうえで直面する問題を乗り越えて生活することを示します。

最近では、がん経験者のそのような生活を支援する、「がんサバイバーシップ支援」という言葉もよく使用されるようになっております。

がんの研究の中にも、がんサバイバーシップ支援の研究も多くなっております。

実は私も、がんサバイバーシップの研究を行っております。

その成果をまとめていますので、興味がある方はこちらをご覧ください。

医療者が使用する「がんサバイバー」の意味は?

がんサバイバーは、がんを体験したすべての人を示しますが、医療者が研究や論文で使用するときは、がん経験者すべてを指しているわけではないような気もします。

私の個人の感覚ですが、「がんサバイバー」は退院して地域で生活している印象です。

入院中の方は、「がん患者」という言葉を使うような気がします。

これは、このブログにそぐわない根拠がない印象ですので、あくまで参考程度にしておいてください。

「がんサバイバー」って言葉はどれくらい使われている?

実際に、「がん患者」より「がんサバイバー」という言葉の方がよくつかわれているのでしょうか?

よく使われる言葉を調べる簡単な方法は、実際に検索エンジンにその言葉を入力して、ヒットした件数を確認することです。

実際に、「がん患者」「がんの患者」「がんサバイバー」で検索してみましょう。

「がん患者」

「がんの患者」

「がんサバイバー」

検索エンジンだと、「がん患者」が538万件、「がんの患者」が367万件、「がんサバイバー」が89万件でした。

まだまだ、「がんサバイバー」という言葉は一般的ではないのかもですね。

それでは次は、日本語論文の検索サイト「J-STAGE」で同じように調べてみました。

「がん患者」

「がんの患者」

「がんサバイバー」

日本語論文の検索サイトだと、「がん患者」が1.2万件、「がんの患者」が642件、「がんサバイバー」が281件でした。

日本語論文でも、まだ使用していることは少ないようですね。

最後に海外の論文検索サイト「Pub Med」を調査してみました。

「patient of cancer」

「cancer survivor」

「patient of cancer」が169万件、「cancer survivor」が3.3万件という結果でした。

海外論文だと、「がんサバイバー」という言葉が頻繁に使われている印象でしたが、まだまだ「がん患者」という言葉の方が一般的なんですね。

今回は、「がんサバイバー」という言葉についてまとめてみました。

まだまだ一般的ではないようですが、がんの経験者全員を示す言葉であり、「がんと向き合いながら自分らしく生きていく」という前向きな意味が含まれていますので、間違いないように使用しつつ、普及させていきたいところですね。

まとめ
・「がんサバイバー」とはがんが治癒した人だけでなく、がんを経験したすべての人を示す言葉である。
・「がんサバイバー」には、がんと向き合いながら自分らしく生きていく、という前向きな意味も含まれている。
・「がんサバイバー」という言葉はまだ普及しておらず、「がん患者」という言葉の方が一般的に使用されることが多い。
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